レジ・会計実務2026.09.12 公開RE-11

売上日報の書き方|数字より「その日のこと」

目次

売上日報は、数字を書き写すだけの作業になりがちな書類です。数字はレジから出るので、日報に転記しても新しい情報は増えません。

この記事では、売上日報に何を書けば使えるものになるかを整理します。数字を正しく書く話より、その日に何があったかを残す話です。

売上日報の様式そのものを探している場合は、商い屋にそろっています。

結論:売上日報は「その日のこと」を書くと使える

売上日報でいちばん価値があるのは、数字ではなく、その日に何があったかです。

売上の金額はレジから出ます。日報に書き写しても、同じ情報が2か所にあるだけです。

ポイントはここです。数字が動いた理由は、レジには残りません。天気、イベント、欠品、人の配置。これらは、その日に書かないと消えます。

一般には、数字の欄が大きくて、記述の欄が小さい様式が使われています。ただ、あとから見返して使えるのは記述のほうです。

日報の中身4つ数字貼るだけでよい理由レジに残らない気づきいちばん使われる翌日へ申し送りを書く
数字・理由・気づき・翌日へという4つの日報の中身を並べた層の図

書く6つ

売上日報に書くのは、6つで足ります。

項目中身
日付と天気天気は売上に効く
売上金額と客数
出来事イベント、工事、近隣の状況
気づきよく出た商品、欠品、問い合わせ
人の配置誰が何時にいたか
翌日への申し送り引き継ぐこと

1つ目の天気を必ず入れてください。あとから数字を見返したときに、下がった理由が分かります。天気が無いと、原因を探すところから始まります。

5つ目は、人が足りていたかを見る材料になります。同じ売上でも、人数が違えば回り方が違います。

数字は転記しない

数字は、レジから出る形をそのまま貼るか、添えるのがいちばん確実です。

手で書き写すと、書き間違いが起きます。書き間違えた数字が、そのまま月の集計に乗ります。

一般には、レジの精算のレシートを日報に貼る形が取られています。貼るだけなら1秒で済み、間違いようがありません。

電子で残す場合も同じです。打ち直さずに、出てきたものをそのまま使います。

数字の扱い4段1転記しない書き間違いが乗る2貼る精算のレシートを3そのまま使打ち直さな4間違わない1秒で済む
転記しない・貼る・そのまま使う・間違わないという4段の数字の扱いのフロー

「気づき」の欄が本体

売上日報でいちばん使われるのは、気づきの欄です。

書くのは、数字では見えないことです。よく出た商品、切れた商品、お客さまから言われたこと、うまくいかなかったこと。

一般には、1日3行が目安とされています。それ以上を求めると、書くこと自体が負担になって続きません。

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様式をさがす

実際に使える様式が必要な方へ

売上日報の様式を整えるなら、商い屋のものが近道です。

この様式をひらく

書き方の型を1つ渡すと、書かれやすくなります。「今日いちばん◯◯だったこと」という形です。空欄の紙より、問いのほうが書けます。

欠品を必ず書く

気づきの欄で、いちばん効くのが欠品です。

欠品は、売上に出ません。買えなかった人は、買った人として数えられないためです。数字だけを見ていると、欠品が起きていたことが分かりません。

書くのは3つです。何が、いつから、どれくらい。「◯◯が14時に切れた」と書けば、発注の量を見直す材料になります。

一般には、欠品の欄を独立させる形が取られています。気づきの欄に混ぜると、書かれない日が出ます。

売上が下がった日に書くこと

売上が下がった日は、理由を書きます。

理由は、分からない場合もあります。そのときは「分からない」と書いてください。空欄にすると、書き忘れたのか分からなかったのかが区別できません。

一般に、下がる理由は次の4つに分かれます。

理由
外の要因天気、イベント、工事
商品欠品、品揃え
店の側人が足りない、機器の不具合
分からない心当たりがない

4つ目が続くなら、見ている項目が足りていません。日報の項目を1つ足すきっかけになります。

書く時間を決める

売上日報は、書く時間を決めないと書かれません。

一般には、レジ締めのあと、5分以内に書く形が取られています。時間が経つと、その日のことを思い出せなくなります。

書く場所も決めます。レジのそばか、事務所か。取りに行く形にすると、忙しい日ほど飛びます。

書く人も決めます。その日の責任者が一般的です。誰が書いてもよい形にすると、書かれない日が出ます。

読む人を決める

日報は、読まれないと書かれなくなります。

読む人を決めて、読んだ印を付ける形にします。印があるだけで、書いた側は読まれていることが分かります。

一般には、気づきの欄にひとこと返す形が取られています。「欠品の件、発注量を直しました」と1行返るだけで、次も書かれます。

続く仕組み4段1書く締めのあと5分以内2読む読む人を決める3読んだ印を付ける4ひとこと返返さないと止まる
書く・読む・印・ひとこと返すという4段の続く仕組みのフロー

返さないと、1か月で書かれなくなります。書いても何も起きないと分かるためです。

月に1回まとめて見る

日報は、溜めて月に1回見ます。

見るのは3つです。天気と売上の関係、欠品が続いている商品、繰り返し出ている気づき。

1日ごとに対策を立てると、その場しのぎが積み重なります。1か月分を並べると、同じものが3件以上あるかどうかが見えます。

見た結果は、日報に書き足します。「この商品の発注量を◯◯に変えた」と残すと、翌月に効果が見えます。

様式を1枚にする

売上日報の様式は、A4で1枚にまとめます。

項目は6つと、読んだ印の欄。これ以上増やすと書かれません。

増やしたくなったら、代わりに1つ減らします。様式を作る側が書く側になっていないと、項目は増え続けます。

電子で残す場合も同じです。入力に5分以上かかる形にすると、続きません。

様式の4つの決めごと決めごと中身6項目これ以上増やさない読んだ印欄を作る1枚A4に収める増やさない足すなら1つ減らす
6項目・読んだ印・1枚・増やさないという4つの様式の決めごとを並べた表

保存の期間

売上日報の保存については、帳簿としての扱いかどうかで変わります。

売上の金額が記載されたものは、帳簿書類として保存の期間が定められている場合があります。税務上の扱いは、記載内容や様式によって変わるとされています。

判断に迷う場合は、社内の担当か、顧問の税理士、所轄の税務署に確かめてください。店の判断で処分しないでください。

客数と客単価を見る

売上日報では、売上の金額だけを見ないでください。

同じ売上でも、客数が多くて単価が低い日と、客数が少なくて単価が高い日では、次にやることが違います。

動き見えること
客数が減った来店の理由が減っている
単価が下がった買う点数か、選ぶ商品が変わった
両方下がった外の要因が大きい
両方上がった記録して理由を残す

4つ目を必ず書いてください。うまくいった日の理由は、書かないと消えます。悪かった日だけを書く形にしていると、再現できません。

4つの動きを見る動き見えること客数来店の理由が減った単価買う点数が変わった両方下がる外の要因が大きい両方上がる理由を必ず書く
客数・単価・両方下がる・両方上がるという4つの動きを並べた表

時間帯ごとに見る日を作る

毎日は要りませんが、時間帯ごとの売上を見る日を作ると、配置の材料になります。

一般には、月に1回、曜日を変えて取る形が取られています。同じ曜日ばかり見ると、その曜日の形しか分かりません。

見るのは3つです。いちばん売れる時間帯、人が足りていない時間帯、空いている時間帯。

3つ目に、売り場づくりや発注の作業を寄せます。忙しい時間に作業を入れると、どちらも中途半端になります。

日報を引き継ぎに使う

売上日報の申し送りの欄は、引き継ぎのノートと分けないでください。

分かれていると、両方を見ないと分からない状態になります。翌朝の担当は、どちらか一方しか見ません。

一般には、日報の中に申し送りの欄を作る形が取られています。書く場所が1つなら、書く側も読む側も迷いません。

書くのは3つです。やり残したこと、翌日に必要なこと、伝えること。3つとも無ければ「なし」と書きます。空欄にしないでください。

日報から発注につなげる

売上日報でいちばん実務につながるのは、発注です。

見るのは2つです。欠品が続いている商品と、残っている商品。

一般には、欠品のほうばかりを見ます。ただ、残っている商品を減らす判断をしないと、棚も資金も詰まります。

日報に「残った」を書く欄があると、月に1回まとめて見られます。書く欄が無いと、誰も書きません。

発注につなげる4段1欠品売上に出な2残り減らす判断をする3発注量両方から決める4棚の余裕詰まりが取れる
欠品・残り・発注量・棚の余裕という4段の発注につなげるフロー

数字が読めるようになるまで

売上日報は、続けないと読めるようになりません。

1か月分では、天気や曜日の差が見えません。3か月ほど溜まって、はじめて形が出ます。

途中でやめたくなるのは、書いても何も変わらない期間があるためです。ここを越えるかどうかで、日報が使えるものになるかが決まります。

一般には、最初の3か月は読む人が反応を返す形が取られています。内容に返事があると、書く側が続けられます。

日報を1枚で回す形

売上日報は、ほかの記録と兼ねると書かれやすくなります。

兼ねられるのは、申し送り、欠品、待たせた記録、違算の記録です。どれも1日1枚の中に欄を作れます。

分けると、書く紙が4枚になります。4枚あると、忙しい日に全部飛びます。

一般には、A4で1枚に収まる範囲で兼ねる形が取られています。収まらないなら、項目を減らすほうを選びます。

まとめ

売上日報は、その日のことを書くと使えるものになります。

  • 数字は転記せず、レジから出たものをそのまま貼る
  • 書くのは日付と天気、売上、出来事、気づき、人の配置、申し送りの6つ
  • 天気を必ず入れる。あとから下がった理由が分かる
  • 欠品の欄を独立させる。欠品は売上に出ない
  • 読む人を決めて、気づきにひとこと返す。返さないと1か月で書かれなくなる

売上の金額が記載された書類は、保存の期間が定められている場合があります。扱いに迷う場合は、社内の担当か、顧問の税理士、所轄の税務署に確かめてください。

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実際に使える様式が必要な方へ

売上日報の様式をまとめて整えるなら、商い屋が近道です。

この様式をひらく

よくある質問

Q. 売上日報に何を書きますか。 A. 日付と天気、売上、出来事、気づき、人の配置、申し送りの6つです。数字より、その日に何があったかが本体です。

Q. 天気は必要ですか。 A. 必ず入れてください。あとから数字を見返したときに、下がった理由が分かります。天気が無いと原因を探すところから始まります。

Q. 数字を書き写すべきですか。 A. 転記しないでください。レジから出たものをそのまま貼るか添えます。書き間違えた数字が、そのまま月の集計に乗ります。

Q. 気づきに何を書きますか。 A. 数字では見えないことです。よく出た商品、切れた商品、言われたこと。1日3行が目安です。

Q. 書くことが思いつきません。 A. 「今日いちばん◯◯だったこと」という問いの形にしてください。空欄の紙より、問いのほうが書けます。

Q. 欠品はどこに書きますか。 A. 欄を独立させてください。気づきの欄に混ぜると、書かれない日が出ます。何が、いつから、どれくらいの3つを書きます。

Q. なぜ欠品が大事なのですか。 A. 欠品は売上に出ません。買えなかった人は、買った人として数えられません。数字だけを見ていると気づけません。

Q. 売上が下がった理由が分かりません。 A. 「分からない」と書いてください。空欄にすると、書き忘れたのか分からなかったのかが区別できません。

Q. 「分からない」が続きます。 A. 見ている項目が足りていません。日報の項目を1つ足すきっかけになります。

Q. いつ書きますか。 A. レジ締めのあと、5分以内です。時間が経つと、その日のことを思い出せなくなります。

Q. 誰が書きますか。 A. その日の責任者が一般的です。誰が書いてもよい形にすると、書かれない日が出ます。

Q. 書いても読まれていない気がします。 A. 読む人を決めて、印を付けてください。気づきにひとこと返すと、次も書かれます。返さないと1か月で書かれなくなります。

Q. いつ見返しますか。 A. 月に1回です。1日ごとに対策を立てると、その場しのぎが積み重なります。同じものが3件以上あるかを見ます。

Q. 項目を増やしたくなります。 A. 6つまでにしてください。増やしたくなったら、代わりに1つ減らします。作る側が書く側になっていないと増え続けます。

Q. どれくらい保存しますか。 A. 帳簿書類として期間が定められている場合があります。顧問の税理士か所轄の税務署に確かめてください。店の判断で処分しないでください。

Q. 売上の金額だけを見ればよいですか。 A. 客数と客単価も見てください。同じ売上でも、次にやることが違います。

Q. うまくいった日も書きますか。 A. 必ず書いてください。悪かった日だけを書く形にしていると、再現できません。

Q. 時間帯ごとの売上は毎日見ますか。 A. 月に1回、曜日を変えて取ってください。同じ曜日ばかり見ると、その曜日の形しか分かりません。

Q. 申し送りは別のノートでよいですか。 A. 日報の中に欄を作ってください。分かれていると、翌朝の担当はどちらか一方しか見ません。

Q. 申し送ることが無い日は。 A. 「なし」と書いてください。空欄にしないでください。書き忘れと区別できません。

Q. 日報を発注につなげられますか。 A. 欠品と、残っている商品の2つを見てください。残りを減らす判断をしないと、棚も資金も詰まります。

Q. 日報を書いても何も変わりません。 A. 3か月ほど溜まって、はじめて形が出ます。最初の3か月は読む人が反応を返してください。返事があると書く側が続けられます。

Q. 1か月では分かりませんか。 A. 天気や曜日の差が見えません。続けないと読めるようになりません。

Q. ほかの記録と兼ねてよいですか。 A. 申し送り、欠品、待たせた記録、違算は兼ねられます。分けると書く紙が4枚になり、忙しい日に全部飛びます。

Q. 日報を電子にしてもよいですか。 A. かまいませんが、入力に5分以上かかる形にすると続きません。打ち直さずに、出てきたものをそのまま使ってください。

Q. 何か月分を残しますか。 A. 帳簿としての扱いを受けることがあります。店の判断で処分しないでください。顧問の税理士か所轄の税務署に確かめます。