レジ締めのやり方|手順とミスを減らす工夫
目次
レジ締めは、閉店後に現金と売上を突き合わせる作業です。手順自体は決まっているのに、やる人によって時間もミスの出方も変わるのが厄介なところです。
時間がかかる原因は、たいてい手際ではありません。数える順番が決まっていないことと、合わなかったときの動き方が決まっていないことの2つです。この記事では、レジ締めの手順を並べたうえで、その2つを先に決めておく形にまとめます。
結論:レジ締めは「数える前に決めておくこと」で時間が変わる
レジ締めの作業そのものは単純です。現金を数えて、売上データと突き合わせる。それだけなのに時間がかかるのは、途中で判断が必要になる場面が多いためです。
ポイントはここです。合わなかったときにどこまで探すかを先に決めておくと、レジ締めは短くなります。決まっていないと、数百円のずれで30分探すことになり、そのあいだ店に残ることになります。
一般には、レジ締めは次の順で進みます。使っているレジの種類によって呼び方は変わりますが、流れは共通しています。
レジ締めのやり方:手順
手順1:開店時の釣銭準備金を確認する
レジ締めの出発点は、その日の朝にレジへ入れた釣銭の金額です。ここが分かっていないと、あとで何と突き合わせるのかが決まりません。
前日の締めで翌日分を用意している店が多く、その場合は前日の記録を見ます。金額は毎日同じにしておくほうが計算が楽になります。釣銭の持ち方は釣銭管理にまとめました。
手順2:レジの精算操作を行う
レジから、その日の売上を集計したデータを出します。機種によって「点検」と「精算」が分かれていることがあります。
- 点検:その時点の数字を見るだけ。カウントは消えない
- 精算:その日の集計を確定させ、カウントを初期化する
ここを取り違えると、精算を二度行って数字が分かれることがあります。途中経過を見たいだけなら点検、締めるときだけ精算、という使い分けになります。
手順3:現金を数える
引き出しの現金を数えます。数える順番を固定しておくと、数え直しが減ります。
一般的なやり方は、高額紙幣から順に数え、金種ごとに小計を出す形です。金種ごとに書き留めておくと、合わなかったときにどの金種でずれたかが分かります。全部を1つの合計にしてしまうと、探す手がかりが消えます。
手順4:釣銭準備金を引く
数えた現金から、朝の釣銭準備金を引きます。残った金額が、その日現金で受け取った売上になります。
手順5:売上データと突き合わせる
レジのデータと、手で数えた金額を比べます。ここで一致すれば締めは終わりです。
一致しない場合に、ここで初めて探し始めます。探し方と打ち切りの目安はレジが合わないときにまとめました。
手順6:記録に残して、翌日分を用意する
金額が確定したら記録に残します。売上、釣銭準備金、過不足、担当者、日付。ここまでやってレジ締めが終わります。
レジ締めでミスが出やすい場所
レジ締めでずれが出るのは、数え間違いよりもその日の営業中に起きたことが原因である場合が多くあります。
| 起きやすいこと | 締めでの現れ方 |
|---|---|
| 支払い方法の押し間違い | 現金が多い、または少ない |
| 釣銭の渡し間違い | 数百円から数千円のずれ |
| 返品・取消の処理漏れ | 現金が少ない |
| 両替をレジから行った | 合計は合うが金種が偏る |
| 売上金の一部を先に抜いた | 記録が無いと原因不明になる |
ポイントはここです。レジ締めの時間帯に探しても見つからないずれは、営業中に原因があります。その日の取消履歴やレシートの控えを見るほうが早く見つかります。
とくに支払い方法の押し間違いは、会計時の復唱で防げます。「お支払いは現金でよろしいでしょうか」を型にしておくと、締めのずれが減ります。復唱の絞り方は接客のコツに書きました。
レジ締めの時間を短くする工夫
レジ締めが長引く店には、共通した形があります。作業そのものより、準備と判断に時間が取られています。
金種をそろえてから閉める
営業中に、同じ金種をまとめて向きをそろえておくと、締めの時間が変わります。混雑が落ち着いたタイミングで整えるだけで、最後に数える時間が短くなります。
数える場所を決める
数えている途中で人が通る、レジが開く、電話が鳴る。中断すると最初から数え直しになります。中断されない場所と時間を決めておくのが効きます。
打ち切りの金額を決めておく
ずれが出たときに、いくらまで探すかを決めておきます。一般には、少額のずれは記録に残して翌日以降に傾向を見る形にしている店が多くあります。
これは店の方針として決めるものなので、自分で決めずに店長と確認します。決まりが無い場合は「決まっていない」と共有するところから始められます。
2人で行うかを決める
現金を扱う作業なので、1人で締めない決まりにしている店があります。時間は増えますが、ずれが出たときの説明がしやすくなります。どちらにするかも店の方針になります。
レジ締めの記録は、あとから効いてくる
レジ締めの記録は、その日の確認のためだけのものではありません。ずれが繰り返し出ている場所を見つける材料になります。
1日だけ見ると原因不明でも、1か月分並べると形が見えることがあります。特定の曜日、特定の時間帯、特定の金種。記録が無いと、この見方ができません。
残しておきたい項目は次のとおりです。
| 項目 | 何に使うか |
|---|---|
| 日付と曜日 | 曜日の偏りを見る |
| 担当者 | 手順の共有が要るか判断する |
| 売上と現金の差 | 傾向を見る |
| 過不足の金額と符号 | 多いのか少ないのかで原因が違う |
| 気づいたこと | 翌日以降の手がかりになる |
過不足は、多い場合と少ない場合で原因が違います。少ないときは渡しすぎや処理漏れ、多いときは受け取りすぎや押し間違いが疑われます。符号を残しておくと、あとで絞り込めます。
レジ締めは、閉店前にできる部分を前に倒す
レジ締めの時間を短くする方法として、閉店後にやることを減らすという考え方があります。作業の一部は、営業中や閉店前に済ませられます。
| 作業 | 前に倒せるか |
|---|---|
| 金種をそろえる | 倒せる(混雑の合間に) |
| 高額紙幣を回収する | 倒せる(決まりがあれば) |
| 売上データの確認 | 一部倒せる(点検で見る) |
| 現金を数える | 倒せない |
| 精算操作 | 倒せない |
| 記録を書く | 様式の準備は倒せる |
金種をそろえるのがいちばん効きます。紙幣の向きをそろえ、同じ金種をまとめておくだけで、閉店後に数える時間が変わります。手が空いた数十秒でできる作業なので、習慣にしやすい部分です。
高額紙幣の回収は、店によって決まりが違います。一定額を超えたら金庫へ移すという運用をしている店では、そのつど記録を残します。記録が無いと、締めのときに原因不明のずれになります。
記録の様式を先に用意しておくのも、地味に効きます。閉店後に紙を探すところから始まると、それだけで数分かかります。レジのそばに固定しておくと、そのまま書けます。
レジ締めは、引き継ぎまで含めて一区切りにする
レジ締めは、数字が合った時点では終わりません。翌日の担当者が困らない状態にするまでが一区切りになります。
引き継ぎで抜けやすいのは次の3つです。
- 翌日の釣銭準備金を用意したかどうか
- その日に出た違算と、探した範囲
- レジや機器の不調
2を口頭で済ませると、翌日に同じ場所を探し直すことになります。探した範囲まで書いておくと、続きから見られます。
機器の不調も残しておく価値があります。引き出しの開きが悪い、レシートが薄い、読み取りが遅い。違算の原因が機器側にあることもあるので、記録が並ぶと気づけます。
一般には、締めの記録用紙に引き継ぎ欄を1行足しておく形が扱いやすくなります。書く場所が無いと、気づいたことが残りません。
締めた人が翌日休みの場合は特に重要になります。口頭で伝える相手がいないので、書いていなければ情報が消えます。誰が読むか分からない前提で書いておくと、抜けが減ります。
レジ締めの記録は、様式をそろえると比べられる
レジ締めの記録は、書く人によって形が違うと並べて見られません。様式をそろえておくと、傾向を見る作業ができるようになります。
そろえる項目は次のあたりで足ります。
| 項目 | 書き方 |
|---|---|
| 日付・曜日 | 数字で |
| 担当者 | 名前 |
| 釣銭準備金 | 金額 |
| 売上(レジ) | 金額 |
| 現金(実査) | 金額。金種ごとの小計も |
| 過不足 | 金額と、多いか少ないか |
| 探した範囲 | どこまで見たか |
| 引き継ぎ | 翌日への申し送り |
金種ごとの小計を書く欄があるかどうかで、違算を探せるかが変わります。合計だけだと、両替や金種の偏りが原因のときに手がかりが残りません。
過不足の符号も欄を分けておきます。「マイナス500円」と「500円不足」が混在すると、あとで集計できません。書き方を決めておくと、月末に並べられます。
様式が店に無い場合は、配布されているレジ精算表や売上日報の様式を下敷きにできます。一から作るより、項目のそろったものを直すほうが早く整います。
様式を変えるときは、途中で変えないほうが比べやすくなります。月や期の区切りで切り替えると、前後で並べられます。
レジ締めで、現金以外に確認しておくもの
レジ締めは現金の作業に見えますが、現金以外にも突き合わせる対象があります。ここが抜けると、翌日以降に差が出ます。
| 対象 | 確認すること |
|---|---|
| カード・電子決済 | 件数と金額が売上と一致するか |
| 商品券・クーポン | 受け取った枚数と金額 |
| 返品・取消 | 処理の件数と、現金の動き |
| 値引き・割引 | 適用した件数 |
| 取り置き・予約の入金 | 受け取った分が計上されているか |
電子決済は、現金を数えても見つからないずれを出します。決済端末側の集計とレジの売上が合っているかは、別に見る必要があります。二重決済や取消漏れは、ここでしか気づけません。
商品券やクーポンは、現金として数えるかどうかの扱いが店で決まっています。決まりを確かめずに数えると、毎回同じ額でずれます。
取り置きや予約の入金も抜けやすい部分です。商品を渡していない段階で現金だけ動いているため、売上として計上する時点が店によって違います。扱いを確かめておくと、締めで迷いません。
レジ締めは、最初の1回で手順を書き出しておく
レジ締めは、教わった手順をその日のうちに書き出しておくと、二度目から迷いません。口頭で教わった内容は、数日で抜けます。
書き出す項目は次のとおりです。
- 釣銭準備金の金額と、どこを見れば分かるか
- 精算操作の手順(機種ごとの押す順番)
- 数える順番と、金種の小計を書く場所
- 合わなかったときに、どこまで探すか
- 記録用紙の置き場所と、書く項目
4つ目が抜けやすい部分です。教わるときも、合った場合の手順だけを渡されることが多くあります。合わなかったときの動き方を聞いておくと、最初の違算で慌てずに済みます。
書き出したものは、次に入る人にそのまま渡せます。自分用のメモが、そのまま手順書になります。
よくある質問
レジ締めはどのくらいの時間がかかりますか
店の規模によりますが、金額が合った場合で10分から20分ほどが一般的です。30分を超えているなら、作業ではなく探す時間が長いことが多いので、打ち切りの目安を決めると短くなります。
点検と精算の違いは何ですか
点検はその時点の数字を見るだけで、集計は残ります。精算はその日の集計を確定させて初期化します。締めるときだけ精算を使うのが基本の形です。
レジ締めを1人でやってもいいですか
店の方針によります。現金を扱うため、2人で行う決まりの店もあります。決まりが無い場合は、1人で締めたことを記録に残しておくと、あとで説明しやすくなります。
締めたあとに間違いに気づいたら
その場で数字を書き換えず、気づいた時点で報告して記録を追加する形が安全です。訂正の履歴が残っていないと、あとで確かめられなくなります。
レジ締めが苦手で毎回時間がかかります
数える順番と、中断されない場所を固定するところから変えられます。手際の問題ではなく、条件の問題であることが多くあります。それでも時間がかかる場合は、金種ごとの小計を書き留める形にすると、数え直しが減ります。
電子決済だけがずれることはありますか
あります。現金を数えても見つからないずれなので、決済端末の集計と別に突き合わせます。取消漏れや二重決済が主な原因になります。
締めの途中で来客があったら
会計を先に済ませてから続けます。数えている途中で中断すると最初から数え直しになるため、金種の小計を書き留めてから対応すると戻れます。
締めの担当は固定したほうがいいですか
固定すると手順は安定しますが、その人が休むと回りません。手順を書いて残しておけば、担当を変えても水準が保てます。
まとめ
レジ締めは、釣銭準備金の確認から始まり、精算、現金を数える、準備金を引く、売上と突き合わせる、記録に残すという順で進みます。手順そのものは単純です。
時間がかかる原因は手際ではなく、数える順番と、合わなかったときの打ち切りが決まっていないことにあります。この2つを先に決めておくと短くなります。
ずれの原因は、締めの時間帯ではなく営業中にあることが多くあります。支払い方法の押し間違いは会計時の復唱で減らせます。記録は1か月分並べて初めて傾向が見えるので、金額と符号を残しておくと役に立ちます。