レジ・会計実務2026.09.07 公開RE-10

決済端末のトラブル|二度押ししない切り分け

目次

決済端末のトラブルは、原因がこちらから見えないぶん、対応が止まりやすい場面です。通信、端末、カード、残高のどれが原因かが、画面のエラーだけでは分かりません。

この記事では、決済端末のトラブルの切り分け方を整理します。直す話ではなく、二重決済を出さずに前へ進む話です。

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結論:決済端末のトラブルで二度押ししない

決済端末のトラブルで守ることは1つです。エラーが出ても、同じ操作を繰り返さない。

理由は、画面にエラーが出ていても、決済そのものは成立していることがあるからです。ここで再実行すると、お客さまから2回引き落とされます。

ポイントはここです。二重決済は、その日のうちに気づけません。あとから申し出があって発覚するので、対応がさらに重くなります。

一般には、エラーが出たらもう一度やってみる形になりがちです。ただ、成立しているかどうかを先に確かめるほうが、結果として早く終わります。

切り分けの4段1エラー画面に出た2繰り返さな二度押ししない3確かめる成立しているか4進む別の方法を案内
エラー・繰り返さない・確かめる・進むという4段の切り分けのフロー

最初に確かめる3つ

エラーが出たら、3つ確かめます。

確かめること見る場所
決済が成立しているか端末の履歴
通信がつながっているか端末の表示
お客さま側の状態端末の画面、残高

1つ目を最初に見ます。成立していれば、やり直す必要がありません。

確かめ方は機種で違います。自店の端末で、どこを見れば履歴が分かるかを、落ち着いているときに確かめておきます。研修で教わっていない場合は、自分で見ておきます。

原因を4つに分ける

決済端末のトラブルは、原因が4つに分かれます。

原因起きること
通信全部の決済が通らない
端末その端末だけ通らない
カードや媒体その人だけ通らない
残高や限度額その人だけ通らない

1つ目と2つ目は、こちらで対応できます。3つ目と4つ目は、お客さま側の事情です。

分け方は単純です。次のお客さまが通るかどうかを見ます。通るなら、前の方の側に原因があります。通らないなら、こちらの側です。

原因は4つ原因起きること通信全部の決済が通らない端末その端末だけ通らない媒体その人だけ通らない残高その人だけ通らない
通信・端末・媒体・残高という4つの原因を並べた表

通らなかったときの伝え方

決済が通らなかったとき、理由を推測して言わないでください。

「残高が足りないようです」「限度額を超えているようです」は、周りに聞こえます。こちらから言う内容ではありません。

一般には、端末側の結果だけを伝えます。「こちらではお通しできませんでした」「恐れ入ります、別のお支払い方法をお試しいただけますでしょうか」という形です。

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理由が分かっている場合でも、同じです。お客さま自身が確かめる形にします。

別の支払い方法を案内する

通らなかったときは、別の方法を案内します。

案内する順番を決めておくと迷いません。別のカード、別のコード決済、現金。

ここで大事なのは、現金を最後に置くことです。最初に現金を勧めると、持っていない場合に行き止まりになります。

どの方法も使えない場合は、商品をお取り置きする選択肢を示します。「お取り置きいたしますので、のちほどお越しください」と言えば、その場で終わらせずに済みます。

二重決済が疑われるとき

二重決済が疑われる場合は、その場で判断しないでください。

やることは3つです。端末の履歴を確かめる、記録に残す、責任者に上げる。

記録に残すのは5つです。日時、金額、決済の種類、端末の表示、お客さまの連絡先。

返金の判断を現場でしないでください。決済の取り消しは、仕組みによって手順が違います。間違った操作をすると、さらに複雑になります。

二重決済の4つやること中身履歴端末で確かめる記録日時と金額を残す報告責任者に上げる連絡先控えを伺う
履歴・記録・報告・連絡先という4つの二重決済の対応を並べた表

端末が止まったとき

端末が動かなくなった場合は、再起動を試す前に確かめます。

確かめるのは、処理中の決済があるかどうかです。処理の途中で電源を切ると、成立したかどうかが分からなくなります。

一般には、画面が固まってから一定の時間待つ形が取られています。通信の遅れで止まって見えることがあります。

再起動しても直らない場合は、その端末を使わないと決めて、他の方法に切り替えます。直そうとして時間をかけると、会計が止まり続けます。

全部の決済が通らないとき

通信の障害で、店全体の決済が通らなくなることがあります。

このときにやることは3つです。現金のみの案内を出す、原因と見込みを確かめる、記録に残す。

1つ目の掲示は、先に用意しておきます。その場で書くと、書いている間も会計が止まります。レジと入口に出せる形にしておきます。

現金のみになると、釣銭が足りなくなります。普段より早く切れるので、予備の釣銭をすぐ出せる形にしておきます。

備えておくこと

決済端末のトラブルへの備えは、4つです。

備え中身
手順の紙切り分けの順番
連絡先端末の会社、本部
掲示現金のみの案内
予備端末か、別の手段

2つ目の連絡先は、端末のそばに貼ります。取扱説明書の中にあると、探している間に会計が止まります。

4つ目の予備の端末を持っている店は限られます。無い場合は、現金に切り替える手順を備えとして持ちます。

定期的に確かめる

決済端末は、動いていることを定期的に確かめます。

確かめるのは4つです。通信がつながるか、印字できるか、電池が持つか、更新が当たっているか。

3つ目が見落とされます。持ち運ぶ端末は、電池が劣化すると営業中に切れます。充電していても持たなくなったら、交換の時期です。

4つ目は、放置すると使えなくなることがあります。決済の仕組みは変わるので、更新が止まっていると通らなくなります。

点検する4つ見るところ中身通信つながるか印字レシートが出るか電池営業中に持つか更新止まっていないか
通信・印字・電池・更新という4つの点検項目を並べた表

記録に残す

決済のトラブルは、記録に残します。

残すのは4つです。日時、決済の種類、何が起きたか、どう対応したか。

溜まると、同じ種類の決済で続いているか、同じ端末で続いているかが見えます。

件数が多い場面から手を打ちます。1件ずつ対応していると、同じことが繰り返されます。

エラーの表示を控えておく

端末に出たエラーは、その場で控えておきます。

控えるのは、表示された文言か番号です。「エラー」とだけ記録しても、あとから調べようがありません。

一般には、エラーの番号ごとに意味が決まっています。提供元に問い合わせるときも、番号があれば話が早く進みます。

写真を撮れるなら撮ります。書き写すより早く、間違いません。ただし、お客さまの情報が画面に出ている場合は撮らないでください。

エラーの控え方4つ控えること中身文言表示された言葉番号意味が決まっている写真書き写すより早い個人情報写っていたら撮らない
文言・番号・写真・個人情報に注意という4つの控え方を並べた表

レシートが出ないとき

決済は通ったのに、レシートが出ない場面があります。

紙切れ、印字のかすれ、機器の不具合。どれも決済そのものには関係ありません。

一般には、手書きの控えを渡すか、あとから再発行する形が取られています。どちらができるかを、事前に確かめておきます。

お客さまには、決済は通っていることを先に伝えます。レシートが出ないと、通っていないと思われます。

返品や取り消しのとき

決済を取り消す場面は、手順が決済の種類ごとに違います。

現金と違って、その場で戻せない場合があります。カードでは、口座に戻るまでに日数がかかることがあります。

一般には、戻るまでの目安を伝える形が取られています。「◯日ほどかかります」と言わないと、翌日に問い合わせが来ます。

取り消しの操作は、決めた人だけがやる形にしている店もあります。操作を間違えると、二重の取り消しになることがあります。

新しい決済を入れるとき

新しい決済の方法を入れるときは、入れる前に3つ確かめます。

誰が操作を覚えるか、エラーのときの連絡先、現場に渡す1枚。この3つが無いまま入れると、現場で止まります。

一般には、始める日の前に1回試す形が取られています。実際に1件通してみると、画面の並びや操作の癖が分かります。

現場に渡す1枚には、操作の手順とエラーのときの動きだけを書きます。仕組みの説明は要りません。

入れる前の4つ準備中身覚える人誰が操作を覚えるか連絡先端末の会社と本部渡す1枚操作とエラーの動き事前に1回1件通してみる
覚える人・連絡先・渡す1枚・事前に1回という4つの準備を並べた表

つまずいたお客さまへの配慮

決済でつまずくと、お客さまの側が気まずくなります。

残高が足りない、限度額を超えている、カードが使えない。どれも本人にとっては人前で起きてほしくないことです。

一般には、手短に済ませるのがいちばんの配慮とされています。原因を一緒に探ろうとすると、時間が延びて周りの視線が集まります。

言い方も決めておきます。「恐れ入ります、別のお支払い方法をお試しいただけますでしょうか」の一文で足ります。理由に触れません。

後ろに並んでいる場合は、一度会計を保留にして、先に次の方を通す方法もあります。こちらから提案すると、本人が落ち着けます。

決済の種類を絞るという判断

決済の種類が多いほど、つまずく場面も増えます。

種類が増えると、操作を覚える量が増え、エラーの種類も増えます。現場の負担は、種類の数にほぼ比例します。

一般には、使われている割合を見て絞る判断があります。ほとんど使われていない決済は、覚える手間だけが残ります。

判断の材料は、過去1か月の決済の種類ごとの件数です。レジから出ることが多いので、感覚ではなく数字で決められます。

まとめ

決済端末のトラブルは、二度押ししないことから始まります。

  • エラーが出ても同じ操作を繰り返さない。成立していることがある
  • 最初に確かめるのは決済が成立しているか、通信、お客さま側の状態の3つ
  • 次のお客さまが通るかどうかで、こちらの側か相手の側かが分かれる
  • 通らなかった理由を推測して言わない。端末側の結果だけ伝える
  • 返金や取り消しの判断を現場でしない

決済の取り消しや返金の手順は、仕組みごとに違います。判断に迷う場合は、社内の担当と、端末の提供元に確かめてください。

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よくある質問

Q. エラーが出たらもう一度やってよいですか。 A. やらないでください。画面にエラーが出ていても、決済そのものは成立していることがあります。二重決済になります。

Q. 成立しているかをどう確かめますか。 A. 端末の履歴を見てください。自店の端末でどこを見れば分かるかを、落ち着いているときに確かめておきます。

Q. 原因がこちらか相手かをどう分けますか。 A. 次のお客さまが通るかどうかを見てください。通るなら前の方の側、通らないならこちらの側です。

Q. 理由を伝えてよいですか。 A. 推測して言わないでください。「残高が足りないようです」は周りに聞こえます。端末側の結果だけ伝えます。

Q. 別の方法をどう案内しますか。 A. 別のカード、別のコード決済、現金の順です。現金を最後に置いてください。最初に勧めると、持っていない場合に行き止まりになります。

Q. どの方法も使えません。 A. お取り置きの選択肢を示してください。その場で終わらせずに済みます。

Q. 二重決済が疑われます。 A. その場で判断しないでください。履歴を確かめる、記録に残す、責任者に上げるの3つです。返金の判断は現場でしません。

Q. 端末が固まりました。 A. 再起動の前に、処理中の決済があるかを確かめてください。途中で電源を切ると、成立したかどうかが分からなくなります。

Q. 直りません。 A. その端末を使わないと決めて、他の方法に切り替えてください。直そうとして時間をかけると、会計が止まり続けます。

Q. 店全体の決済が通りません。 A. 現金のみの案内を出してください。掲示は先に用意しておきます。その場で書くと、書いている間も止まります。

Q. 現金のみになると釣銭が足りません。 A. 普段より早く切れます。予備の釣銭をすぐ出せる形にしておいてください。

Q. 連絡先をどこに置きますか。 A. 端末のそばに貼ってください。取扱説明書の中にあると、探している間に会計が止まります。

Q. 点検では何を見ますか。 A. 通信、印字、電池、更新の4つです。持ち運ぶ端末は、電池が劣化すると営業中に切れます。

Q. 更新は必要ですか。 A. 放置すると使えなくなることがあります。決済の仕組みは変わるので、更新が止まっていると通らなくなります。

Q. 何を記録しますか。 A. 日時、決済の種類、何が起きたか、どう対応したかの4つです。同じ種類や同じ端末で続いていないかを見ます。

Q. エラーの内容をどう控えますか。 A. 表示された文言か番号です。「エラー」とだけ記録しても、あとから調べようがありません。写真を撮れるなら撮ります。

Q. 画面の写真を撮ってよいですか。 A. お客さまの情報が出ている場合は撮らないでください。番号だけを書き写してください。

Q. レシートが出ません。 A. 決済は通っていることを先に伝えてください。出ないと、通っていないと思われます。手書きの控えか再発行で対応します。

Q. 取り消しはその場でできますか。 A. 決済の種類によります。口座に戻るまでに日数がかかることがあります。目安を伝えないと翌日に問い合わせが来ます。

Q. 新しい決済を入れるときは何を準備しますか。 A. 覚える人、連絡先、現場に渡す1枚の3つです。始める日の前に1回試してください。

Q. つまずいたお客さまにどう配慮しますか。 A. 手短に済ませることです。原因を一緒に探ろうとすると、時間が延びて周りの視線が集まります。

Q. 後ろが並んでいます。 A. 一度会計を保留にして、先に次の方を通す方法があります。こちらから提案すると、本人が落ち着けます。

Q. 決済の種類が多すぎます。 A. 使われている割合を見て絞る判断があります。過去1か月の種類ごとの件数を見てください。現場の負担は種類の数にほぼ比例します。

Q. 端末を置く場所で気をつけることは。 A. 電源と通信が安定する場所にしてください。持ち運ぶ端末は、充電器の置き場を決めておきます。充電されていないまま朝を迎えます。