決済端末のトラブル|二度押ししない切り分け
目次
決済端末のトラブルは、原因がこちらから見えないぶん、対応が止まりやすい場面です。通信、端末、カード、残高のどれが原因かが、画面のエラーだけでは分かりません。
この記事では、決済端末のトラブルの切り分け方を整理します。直す話ではなく、二重決済を出さずに前へ進む話です。
結論:決済端末のトラブルで二度押ししない
決済端末のトラブルで守ることは1つです。エラーが出ても、同じ操作を繰り返さない。
理由は、画面にエラーが出ていても、決済そのものは成立していることがあるからです。ここで再実行すると、お客さまから2回引き落とされます。
ポイントはここです。二重決済は、その日のうちに気づけません。あとから申し出があって発覚するので、対応がさらに重くなります。
一般には、エラーが出たらもう一度やってみる形になりがちです。ただ、成立しているかどうかを先に確かめるほうが、結果として早く終わります。
最初に確かめる3つ
エラーが出たら、3つ確かめます。
| 確かめること | 見る場所 |
|---|---|
| 決済が成立しているか | 端末の履歴 |
| 通信がつながっているか | 端末の表示 |
| お客さま側の状態 | 端末の画面、残高 |
1つ目を最初に見ます。成立していれば、やり直す必要がありません。
確かめ方は機種で違います。自店の端末で、どこを見れば履歴が分かるかを、落ち着いているときに確かめておきます。研修で教わっていない場合は、自分で見ておきます。
原因を4つに分ける
決済端末のトラブルは、原因が4つに分かれます。
| 原因 | 起きること |
|---|---|
| 通信 | 全部の決済が通らない |
| 端末 | その端末だけ通らない |
| カードや媒体 | その人だけ通らない |
| 残高や限度額 | その人だけ通らない |
1つ目と2つ目は、こちらで対応できます。3つ目と4つ目は、お客さま側の事情です。
分け方は単純です。次のお客さまが通るかどうかを見ます。通るなら、前の方の側に原因があります。通らないなら、こちらの側です。
通らなかったときの伝え方
決済が通らなかったとき、理由を推測して言わないでください。
「残高が足りないようです」「限度額を超えているようです」は、周りに聞こえます。こちらから言う内容ではありません。
一般には、端末側の結果だけを伝えます。「こちらではお通しできませんでした」「恐れ入ります、別のお支払い方法をお試しいただけますでしょうか」という形です。
理由が分かっている場合でも、同じです。お客さま自身が確かめる形にします。
別の支払い方法を案内する
通らなかったときは、別の方法を案内します。
案内する順番を決めておくと迷いません。別のカード、別のコード決済、現金。
ここで大事なのは、現金を最後に置くことです。最初に現金を勧めると、持っていない場合に行き止まりになります。
どの方法も使えない場合は、商品をお取り置きする選択肢を示します。「お取り置きいたしますので、のちほどお越しください」と言えば、その場で終わらせずに済みます。
二重決済が疑われるとき
二重決済が疑われる場合は、その場で判断しないでください。
やることは3つです。端末の履歴を確かめる、記録に残す、責任者に上げる。
記録に残すのは5つです。日時、金額、決済の種類、端末の表示、お客さまの連絡先。
返金の判断を現場でしないでください。決済の取り消しは、仕組みによって手順が違います。間違った操作をすると、さらに複雑になります。
端末が止まったとき
端末が動かなくなった場合は、再起動を試す前に確かめます。
確かめるのは、処理中の決済があるかどうかです。処理の途中で電源を切ると、成立したかどうかが分からなくなります。
一般には、画面が固まってから一定の時間待つ形が取られています。通信の遅れで止まって見えることがあります。
再起動しても直らない場合は、その端末を使わないと決めて、他の方法に切り替えます。直そうとして時間をかけると、会計が止まり続けます。
全部の決済が通らないとき
通信の障害で、店全体の決済が通らなくなることがあります。
このときにやることは3つです。現金のみの案内を出す、原因と見込みを確かめる、記録に残す。
1つ目の掲示は、先に用意しておきます。その場で書くと、書いている間も会計が止まります。レジと入口に出せる形にしておきます。
現金のみになると、釣銭が足りなくなります。普段より早く切れるので、予備の釣銭をすぐ出せる形にしておきます。
備えておくこと
決済端末のトラブルへの備えは、4つです。
| 備え | 中身 |
|---|---|
| 手順の紙 | 切り分けの順番 |
| 連絡先 | 端末の会社、本部 |
| 掲示 | 現金のみの案内 |
| 予備 | 端末か、別の手段 |
2つ目の連絡先は、端末のそばに貼ります。取扱説明書の中にあると、探している間に会計が止まります。
4つ目の予備の端末を持っている店は限られます。無い場合は、現金に切り替える手順を備えとして持ちます。
定期的に確かめる
決済端末は、動いていることを定期的に確かめます。
確かめるのは4つです。通信がつながるか、印字できるか、電池が持つか、更新が当たっているか。
3つ目が見落とされます。持ち運ぶ端末は、電池が劣化すると営業中に切れます。充電していても持たなくなったら、交換の時期です。
4つ目は、放置すると使えなくなることがあります。決済の仕組みは変わるので、更新が止まっていると通らなくなります。
記録に残す
決済のトラブルは、記録に残します。
残すのは4つです。日時、決済の種類、何が起きたか、どう対応したか。
溜まると、同じ種類の決済で続いているか、同じ端末で続いているかが見えます。
件数が多い場面から手を打ちます。1件ずつ対応していると、同じことが繰り返されます。
エラーの表示を控えておく
端末に出たエラーは、その場で控えておきます。
控えるのは、表示された文言か番号です。「エラー」とだけ記録しても、あとから調べようがありません。
一般には、エラーの番号ごとに意味が決まっています。提供元に問い合わせるときも、番号があれば話が早く進みます。
写真を撮れるなら撮ります。書き写すより早く、間違いません。ただし、お客さまの情報が画面に出ている場合は撮らないでください。
レシートが出ないとき
決済は通ったのに、レシートが出ない場面があります。
紙切れ、印字のかすれ、機器の不具合。どれも決済そのものには関係ありません。
一般には、手書きの控えを渡すか、あとから再発行する形が取られています。どちらができるかを、事前に確かめておきます。
お客さまには、決済は通っていることを先に伝えます。レシートが出ないと、通っていないと思われます。
返品や取り消しのとき
決済を取り消す場面は、手順が決済の種類ごとに違います。
現金と違って、その場で戻せない場合があります。カードでは、口座に戻るまでに日数がかかることがあります。
一般には、戻るまでの目安を伝える形が取られています。「◯日ほどかかります」と言わないと、翌日に問い合わせが来ます。
取り消しの操作は、決めた人だけがやる形にしている店もあります。操作を間違えると、二重の取り消しになることがあります。
新しい決済を入れるとき
新しい決済の方法を入れるときは、入れる前に3つ確かめます。
誰が操作を覚えるか、エラーのときの連絡先、現場に渡す1枚。この3つが無いまま入れると、現場で止まります。
一般には、始める日の前に1回試す形が取られています。実際に1件通してみると、画面の並びや操作の癖が分かります。
現場に渡す1枚には、操作の手順とエラーのときの動きだけを書きます。仕組みの説明は要りません。
つまずいたお客さまへの配慮
決済でつまずくと、お客さまの側が気まずくなります。
残高が足りない、限度額を超えている、カードが使えない。どれも本人にとっては人前で起きてほしくないことです。
一般には、手短に済ませるのがいちばんの配慮とされています。原因を一緒に探ろうとすると、時間が延びて周りの視線が集まります。
言い方も決めておきます。「恐れ入ります、別のお支払い方法をお試しいただけますでしょうか」の一文で足ります。理由に触れません。
後ろに並んでいる場合は、一度会計を保留にして、先に次の方を通す方法もあります。こちらから提案すると、本人が落ち着けます。
決済の種類を絞るという判断
決済の種類が多いほど、つまずく場面も増えます。
種類が増えると、操作を覚える量が増え、エラーの種類も増えます。現場の負担は、種類の数にほぼ比例します。
一般には、使われている割合を見て絞る判断があります。ほとんど使われていない決済は、覚える手間だけが残ります。
判断の材料は、過去1か月の決済の種類ごとの件数です。レジから出ることが多いので、感覚ではなく数字で決められます。
まとめ
決済端末のトラブルは、二度押ししないことから始まります。
- エラーが出ても同じ操作を繰り返さない。成立していることがある
- 最初に確かめるのは決済が成立しているか、通信、お客さま側の状態の3つ
- 次のお客さまが通るかどうかで、こちらの側か相手の側かが分かれる
- 通らなかった理由を推測して言わない。端末側の結果だけ伝える
- 返金や取り消しの判断を現場でしない
決済の取り消しや返金の手順は、仕組みごとに違います。判断に迷う場合は、社内の担当と、端末の提供元に確かめてください。
よくある質問
Q. エラーが出たらもう一度やってよいですか。 A. やらないでください。画面にエラーが出ていても、決済そのものは成立していることがあります。二重決済になります。
Q. 成立しているかをどう確かめますか。 A. 端末の履歴を見てください。自店の端末でどこを見れば分かるかを、落ち着いているときに確かめておきます。
Q. 原因がこちらか相手かをどう分けますか。 A. 次のお客さまが通るかどうかを見てください。通るなら前の方の側、通らないならこちらの側です。
Q. 理由を伝えてよいですか。 A. 推測して言わないでください。「残高が足りないようです」は周りに聞こえます。端末側の結果だけ伝えます。
Q. 別の方法をどう案内しますか。 A. 別のカード、別のコード決済、現金の順です。現金を最後に置いてください。最初に勧めると、持っていない場合に行き止まりになります。
Q. どの方法も使えません。 A. お取り置きの選択肢を示してください。その場で終わらせずに済みます。
Q. 二重決済が疑われます。 A. その場で判断しないでください。履歴を確かめる、記録に残す、責任者に上げるの3つです。返金の判断は現場でしません。
Q. 端末が固まりました。 A. 再起動の前に、処理中の決済があるかを確かめてください。途中で電源を切ると、成立したかどうかが分からなくなります。
Q. 直りません。 A. その端末を使わないと決めて、他の方法に切り替えてください。直そうとして時間をかけると、会計が止まり続けます。
Q. 店全体の決済が通りません。 A. 現金のみの案内を出してください。掲示は先に用意しておきます。その場で書くと、書いている間も止まります。
Q. 現金のみになると釣銭が足りません。 A. 普段より早く切れます。予備の釣銭をすぐ出せる形にしておいてください。
Q. 連絡先をどこに置きますか。 A. 端末のそばに貼ってください。取扱説明書の中にあると、探している間に会計が止まります。
Q. 点検では何を見ますか。 A. 通信、印字、電池、更新の4つです。持ち運ぶ端末は、電池が劣化すると営業中に切れます。
Q. 更新は必要ですか。 A. 放置すると使えなくなることがあります。決済の仕組みは変わるので、更新が止まっていると通らなくなります。
Q. 何を記録しますか。 A. 日時、決済の種類、何が起きたか、どう対応したかの4つです。同じ種類や同じ端末で続いていないかを見ます。
Q. エラーの内容をどう控えますか。 A. 表示された文言か番号です。「エラー」とだけ記録しても、あとから調べようがありません。写真を撮れるなら撮ります。
Q. 画面の写真を撮ってよいですか。 A. お客さまの情報が出ている場合は撮らないでください。番号だけを書き写してください。
Q. レシートが出ません。 A. 決済は通っていることを先に伝えてください。出ないと、通っていないと思われます。手書きの控えか再発行で対応します。
Q. 取り消しはその場でできますか。 A. 決済の種類によります。口座に戻るまでに日数がかかることがあります。目安を伝えないと翌日に問い合わせが来ます。
Q. 新しい決済を入れるときは何を準備しますか。 A. 覚える人、連絡先、現場に渡す1枚の3つです。始める日の前に1回試してください。
Q. つまずいたお客さまにどう配慮しますか。 A. 手短に済ませることです。原因を一緒に探ろうとすると、時間が延びて周りの視線が集まります。
Q. 後ろが並んでいます。 A. 一度会計を保留にして、先に次の方を通す方法があります。こちらから提案すると、本人が落ち着けます。
Q. 決済の種類が多すぎます。 A. 使われている割合を見て絞る判断があります。過去1か月の種類ごとの件数を見てください。現場の負担は種類の数にほぼ比例します。
Q. 端末を置く場所で気をつけることは。 A. 電源と通信が安定する場所にしてください。持ち運ぶ端末は、充電器の置き場を決めておきます。充電されていないまま朝を迎えます。