レジ・会計実務2026.09.03 公開RE-08

両替と釣銭準備|切らさない持ち方

目次

両替と釣銭準備は、切れてから慌てることが多い業務です。会計の途中で小銭が足りなくなると、その場で動けなくなります。

この記事では、釣銭を切らさない持ち方と、両替の段取りを整理します。足りなくなってから走る話ではなく、切れない形を作る話です。

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結論:釣銭は「最低の本数」を決めておく

釣銭準備でいちばん効くのは、金種ごとに最低の本数を決めておくことです。

決めておけば、開店前に数えるだけで足りるかどうかが分かります。足りなければ、その時点で両替に動けます。

ポイントはここです。切れてから動くと、営業中に店を離れることになります。開店前なら、まだ時間があります。

一般には、全体の金額だけを決めている店が多くあります。ただ、金額が足りていても、10円玉だけ切れることが起きます。金種ごとに決める必要があります。

切らさない4段1金種ごと合計では足りない2最低本数下回る線を決める3開店前に数えるまだ時間がある4足りなければ両替混む前に済ませる
金種ごと・最低本数・開店前に数える・足りなければ両替という4段の流れのフロー

金種ごとの目安

金種ごとの最低本数は、店の客単価と支払い方で変わります。

金種切れやすさ目安の考え方
1円玉端数の出方で変わる価格の末尾を見る
10円玉いちばん切れやすい多めに持つ
100円玉よく出る1日の会計数から逆算
1000円札まとまって出る高額紙幣の受け取りで消える

2つ目の10円玉がいちばん切れます。税込みの価格で端数が出る店では、1回の会計で複数枚出ます。

4つ目は、1万円札での支払いが多い日に一気に減ります。曜日や時間帯で偏るので、記録を見ると読めるようになります。

端数の出方を見る

釣銭の減り方は、価格の末尾で決まります。

末尾が0で揃っている店では、1円玉と5円玉はほとんど動きません。税込みで端数が出る店では、1円玉が毎回動きます。

一般には、よく出る商品の税込み価格を10個並べると、どの金種が減るかが分かります。感覚ではなく、価格から読めます。

端数の出方4つ価格の形減る金種末尾01円玉と5円玉は動かない端数あり1円玉が毎回動く複数買い10円玉が減るまとめ買い1000円札が減る
末尾0・端数あり・複数買い・まとめ買いという4つの端数の出方を並べた表

開店前に数える

釣銭準備は、開店前に数えます。

数えるのは、金種ごとの本数です。金額の合計だけだと、どの金種が足りないかが分かりません。

一般には、コインケースに入れたまま目で見て分かる形にしている店が多くあります。線を引いて、「この線を下回ったら補充」と決めます。

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数えた結果は記録に残します。釣銭の準備金は、売上と混ざらない扱いにします。混ざると、レジ締めの計算が合わなくなります。

両替に行く段取り

両替が必要になったら、行く段取りを決めておきます。

決めるのは4つです。どこで両替するか、いくら持って行くか、誰が行くか、いつ行くか。

決めること中身
場所金融機関、両替機、本部
金額金種ごとに必要な分
担当1人で持ち歩かない
時刻混む前に済ませる

3つ目に注意が要ります。現金を持って外を歩く形になります。金額が大きい場合は、1人で行かない決まりにしている店もあります。

なお、金融機関の両替には手数料がかかる場合があります。回数が増えるほど費用になるので、まとめて両替するほうが安く済みます。

営業中に切れたとき

営業中に切れた場合は、その場でできる手を先に使います。

一般には、次の順で対応します。レジ間で融通する、予備の釣銭から補充する、両替に行く。

1つ目がいちばん早く済みます。レジが複数ある店では、片方に偏ることがよくあります。

どうしても足りない場合は、お客さまに伝えます。「細かいお釣りが切れており、申し訳ございません」と伝えて、別の支払い方法を相談します。

黙って時間をかけないでください。待っている理由が分からないと、不安になります。

切れたときの4段1レジ間で融いちばん早2予備から補記録に残す3両替に行く1人で行かない4お客さまに伝える黙って時間をかけない
レジ間で融通・予備から補充・両替に行く・お客さまに伝えるという4段の対応のフロー

予備の釣銭を持つ

予備の釣銭を持っておくと、営業中に走らなくて済みます。

持つ量は、1日分の半分が目安です。多すぎると、保管の手間と盗難の危険が増えます。

保管は、売り場から見えない場所にします。予備の場所を全員が知っている必要はありません。扱う人を決めます。

予備から補充したときは、記録に残します。いつ、いくら、誰が補充したか。残さないと、レジ締めのときに数字が合いません。

高額紙幣の扱い

1万円札での支払いは、釣銭を一気に減らします。

一般には、受け取ったらすぐレジから抜く形が取られています。レジに置く現金の上限を決めている店では、超えた分を回収します。

高額紙幣を受け取るときは、確かめる動作を1つ入れます。金額を声に出す、透かしを見る。疑っているように見えない形で、自然に確かめます。

受け取った金額は、お客さまの前で言葉にします。「1万円お預かりいたします」と言えば、あとから金額の食い違いが起きにくくなります。

両替を頼まれたとき

お客さまから両替を頼まれる場面があります。

一般には、応じないと決めている店が多くあります。理由は2つです。釣銭が減ることと、金額の食い違いが起きやすいこと。

断り方を決めておきます。「申し訳ございません、両替はいたしかねます」で足ります。理由を長く説明しないほうが収まります。

応じる店では、上限と回数を決めます。決めていないと、その場の判断で断ることになり、対応に差が出ます。

両替を頼まれたら決めごと中身応じない多くの店はこれ上限を決める応じる場合断り方いたしかねます対応をそろえる人で変えない
応じない・上限を決める・断り方・対応をそろえるという4つの決めごとを並べた表

記録に残す

釣銭の動きは、記録に残します。

残すのは4つです。日付、金種、動かした量、理由。

溜まると、曜日や時間帯で減り方が違うことが見えます。金曜の夕方に10円玉が切れるなら、その前に補充します。

記録があると、両替の回数も減らせます。必要な量が読めれば、まとめて両替できます。

新しく入った人への渡し方

釣銭の扱いは、新しく入った人が最初に触る現金になります。

渡すのは3つです。開店前に数えること、切れそうなときに誰へ伝えるか、レジを離れるときは引き出しを閉めること。

金額の判断は渡さなくて足ります。足りないと感じたら伝える、という形にしておけば、その先は決めた人が動きます。

レジ締めとの関係

釣銭準備は、レジ締めと組になっています。

締めるときに、翌日の準備金を抜いてから売上を数えるか、売上を全部数えてから準備金を作るかで、手順が変わります。

一般には、準備金を先に分ける形が取られています。売上の金額がそのまま出るので、計算が分かりやすくなります。

手順良い点
準備金を先に分ける売上がそのまま出る
売上を全部数えてから数える回数が1回で済む
金種ごとに数えるどの金種が足りないか分かる
合計だけ数える早いが、金種が分からない

3つ目をやっておくと、翌日の準備がそのまま終わります。締めのときに数えた本数が、そのまま翌朝の確認になります。

締めと準備の4段1準備金を分ける売上がそのまま出る2金種ごと足りない金種が分かる3翌日の確認数えた本数を使う4記録差額もあわせて残す
準備金を分ける・金種ごと・翌日の確認・記録という4段の締めと準備のフロー

釣銭の渡し方

釣銭は、渡し方でも差が出ます。

一般には、紙幣と硬貨を分けて渡す形が取られています。まとめて渡すと、財布にしまう手間が増えて、後ろが待ちます。

数える動作も決めます。お客さまから見える位置で数えて、金額を声に出します。「1000円のお返しでございます」と言えば、違算が出たときに確かめられます。

両手で渡す、トレーに置く、直接手に渡す。どれにするかを店で決めておくと、対応がそろいます。

硬貨の扱いに関する決まり

支払いで使える硬貨の枚数には、決まりがあるとされています。

一般に、同じ種類の硬貨は20枚までが、法律上の強制通用力の範囲とされています。それを超える分は、受け取りを断ることができるとされています。

ただし、断るかどうかは店の判断です。断る場合の言い方を決めておきます。「恐れ入ります、硬貨でのお支払いは20枚までとさせていただいております」という形です。

判断に迷う場合は、社内の担当か、日本銀行や金融機関の窓口に確かめてください。

釣銭の違算が出たとき

釣銭が合わないときは、その場で何度も数え直さないでください。

数える回数を決めておきます。2回数えて合わなければ、記録して報告する。これで終わりにします。

何度も数え直すと、閉店の時刻が読めなくなります。そして、たいてい何度数えても合いません。

記録に残すのは4つです。日付、金額の差、担当、その日に起きたこと。溜めると、同じ担当ではなく、同じ場面で起きていることが見えます。

違算が出たら4段12回数える回数を決めておく2記録する日付と差額3報告する責任者へ4溜めて見る同じ場面が並ぶ
2回数える・記録する・報告する・溜めて見るという4段の違算対応のフロー

釣銭の準備を新しい人に渡す

釣銭の扱いは、新しく入った人が最初に触る現金になります。

渡すのは3つです。開店前に金種ごとに数えること、切れそうなときに誰へ伝えるか、レジを離れるときは引き出しを閉めること。

金額の判断は渡さなくて足ります。足りないと感じたら伝える、という形にしておけば、その先は決めた人が動きます。

数え方も1回見せます。言葉で説明するより、横で1回やって見せるほうが早く覚わります。

キャッシュレスが増えたときの持ち方

現金以外の支払いが増えると、釣銭の減り方が変わります。

減る量が少なくなるぶん、持つ量も減らせます。ただし、通信や端末の不具合で現金に切り替わる場面があるので、ゼロにはできません。

一般には、過去1か月の現金の割合を見て決めます。感覚で減らすと、切れたときに困ります。

記録を見ると、曜日や時間帯で割合が違うことが分かります。現金の多い日だけ多めに持つ、という形にできます。

まとめ

両替と釣銭準備は、金種ごとの最低本数を決めると切れなくなります。

  • 金額の合計だけでは足りない。10円玉だけ切れることが起きる
  • 減り方は価格の末尾で決まる。よく出る商品の税込み価格を並べると読める
  • 開店前に数える。切れてから動くと、営業中に店を離れることになる
  • 営業中はレジ間で融通するのがいちばん早い
  • 高額紙幣は受け取ったらすぐレジから抜く

現金の保管や運搬の方法には社内の決まりがあります。両替の手数料や、金融機関での手続きについては、社内の担当と取引先の金融機関に確かめてください。

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よくある質問

Q. 釣銭をいくら用意すればよいですか。 A. 金額ではなく、金種ごとの本数で決めてください。金額が足りていても、10円玉だけ切れることが起きます。

Q. どの金種が切れやすいですか。 A. 10円玉です。税込みの価格で端数が出る店では、1回の会計で複数枚出ます。

Q. 必要な量をどう読みますか。 A. よく出る商品の税込み価格を10個並べてください。どの金種が減るかが、感覚ではなく価格から読めます。

Q. いつ数えますか。 A. 開店前です。切れてから動くと、営業中に店を離れることになります。金種ごとの本数を数えます。

Q. 準備金と売上を分けるべきですか。 A. 分けてください。混ざるとレジ締めの計算が合わなくなります。

Q. 営業中に切れました。 A. レジ間で融通するのがいちばん早く済みます。レジが複数ある店では、片方に偏ることがよくあります。

Q. どうしても足りません。 A. お客さまに伝えてください。黙って時間をかけないでください。待っている理由が分からないと不安になります。

Q. 予備の釣銭はどれくらい持ちますか。 A. 1日分の半分が目安です。多すぎると保管の手間と盗難の危険が増えます。扱う人を決めてください。

Q. 予備から補充したら記録しますか。 A. いつ、いくら、誰がを残してください。残さないと、レジ締めのときに数字が合いません。

Q. 1万円札を受け取ったらどうしますか。 A. すぐレジから抜いてください。釣銭が一気に減ります。レジに置く上限を決めている店では、超えた分を回収します。

Q. 高額紙幣を確かめたいのですが。 A. 金額を声に出す、透かしを見るなど、疑っているように見えない形で自然に確かめてください。

Q. 受け取った金額を言うべきですか。 A. 「1万円お預かりいたします」と言葉にしてください。あとから金額の食い違いが起きにくくなります。

Q. お客さまに両替を頼まれました。 A. 応じないと決めている店が多くあります。釣銭が減ることと、金額の食い違いが起きやすいことが理由です。

Q. 断り方はどうしますか。 A. 「申し訳ございません、両替はいたしかねます」で足ります。理由を長く説明しないほうが収まります。

Q. 両替の回数を減らせますか。 A. 記録を見て必要な量が読めれば、まとめて両替できます。手数料がかかる場合、回数が増えるほど費用になります。

Q. 締めるときに準備金をどう扱いますか。 A. 先に分けてください。売上の金額がそのまま出るので、計算が分かりやすくなります。

Q. 金種ごとに数えるべきですか。 A. 数えておくと、翌日の準備がそのまま終わります。締めのときの本数が、翌朝の確認になります。

Q. 釣銭の渡し方に決まりはありますか。 A. 紙幣と硬貨を分けて渡してください。まとめて渡すと、財布にしまう手間で後ろが待ちます。金額は声に出します。

Q. 硬貨での支払いは何枚まで受け取りますか。 A. 同じ種類の硬貨は20枚までが強制通用力の範囲とされています。断るかどうかは店の判断です。金融機関の窓口に確かめてください。

Q. 違算が出て終わりません。 A. 数える回数を決めてください。2回数えて合わなければ、記録して報告する。何度数えても、たいてい合いません。

Q. 新しい人に何から教えますか。 A. 開店前に金種ごとに数えること、切れそうなときの伝え先、引き出しを閉めることの3つです。金額の判断は渡さなくて足ります。

Q. 数え方をどう教えますか。 A. 横で1回やって見せてください。言葉で説明するより早く覚わります。

Q. キャッシュレスが増えました。 A. 持つ量は減らせますが、ゼロにはできません。過去1か月の現金の割合を見て決めてください。感覚で減らすと切れます。