開店準備の手順|10分前に終わらせる並べ方
目次
開店の時刻になっても、まだ準備が終わっていない。最初のお客さまが入ってきたときに、バタバタしている姿を見せることになります。準備の順番を決めておくと、同じ人数でも10分前に終わります。慣れていない人でも回せる形にできます。
この記事では、開店準備を、終わらない理由、順番の決め方、チェック表の作り方、人数が少ない日の回し方、引き継ぎとの関係の順に整理します。食品や設備の扱いには別の決まりがあります。取り扱いの基準は、社内の担当と所轄の保健所に確認してください。
結論:順番が決まっていないから、終わらない
開店準備が終わらないのは、やることが多いからではありません。
理由は3つです。
1つ目は、順番が決まっていないことです。その日の判断で動くので、手戻りが出ます。
2つ目は、担当が決まっていないことです。同じ場所を2人がやり、別の場所が空きます。
3つ目は、終わりが見えないことです。何をどこまでやれば終わりかが分かりません。
3つ目がいちばん効きます。「開店の時点でこの状態になっていればよい」という完成の形が決まっていれば、そこまでの道筋は自分で組めます。逆に決まっていないと、いつまでも何かをやり続けます。
順番の決め方
準備には、先にやらないと後がつかえる作業があります。
順番は4段です。
1つ目は、時間のかかるものを先に始めることです。機械の立ち上げ、温度が上がるまで待つ物。
2つ目は、人手の要るものを次にやることです。重い物の移動、大きな設営。
3つ目は、1人でできるものをそのあとにすることです。品出し、表示の確認。
4つ目は、最後に見回ることです。全体を見て、抜けを探します。
1つ目を最初に動かしてください。電源を入れて温まるまで20分かかる機械があるなら、出勤して最初にスイッチを入れる。そのあいだに他の作業ができます。順番を変えるだけで、終わる時刻が変わります。
チェック表を作る
順番が決まったら、紙にします。
作るのは4つです。
1つ目は、作業を上から順に並べることです。順番どおりに書きます。
2つ目は、担当の欄を作ることです。その日の人数で振り分けます。
3つ目は、印を付ける欄を作ることです。終わったら印。
4つ目は、目安の時刻を書くことです。「◯時までにここまで」。
4つ目を入れると、遅れに気づけます。「8時40分の時点でここまで」と書いてあれば、遅れているかどうかがその場で分かります。遅れているなら、人を回すか、後回しにできるものを飛ばす判断ができます。
開店の完成の形を決める
「準備が終わった」の定義を、目に見える形にします。
決めるのは4つです。
1つ目は、売り場の状態です。商品が並び、通路が空いている。
2つ目は、レジの状態です。釣銭、端末、備品。
3つ目は、身だしなみと立ち位置です。
4つ目は、共有です。その日の連絡事項が全員に伝わっている。
4つ目が抜けやすい部分です。準備そのものは終わっていても、今日の特売や品切れの情報が伝わっていないと、接客で困ります。開店の直前に1分だけ集まる形にすると、この抜けが消えます。
人数が少ない日
人が足りない日は、全部をやろうとしないことです。
決めるのは4つです。
1つ目は、必ずやることです。これをやらないと開店できない項目。
2つ目は、できればやることです。
3つ目は、飛ばしてよいことです。
4つ目は、飛ばしたときに伝える相手です。
3つ目を決めておいてください。決めていないと、現場がその場で判断して、大事な項目を飛ばすことがあります。飛ばしてよい項目を先に決めておけば、迷いません。飛ばしたことを申し送りに書けば、次のシフトが拾えます。
新しい人が回せる形にする
開店準備は、新しい人がいちばん最初に任される作業の1つです。
やることは4つです。
1つ目は、チェック表を渡すことです。
2つ目は、写真を入れることです。「この状態にする」という完成の写真。
3つ目は、最初は一緒にやることです。
4つ目は、分からないときに聞く相手を決めることです。
2つ目がいちばん速く伝わります。「きれいに並べる」ではなく、完成した棚の写真を1枚貼っておく。言葉で説明するより正確に伝わり、人によって差が出なくなります。
前日の閉店とつなげる
開店が速い店は、前日の閉店で仕込んでいます。
つなげるのは4つです。
1つ目は、翌朝すぐ使う物を出しておくことです。
2つ目は、補充できるものは前日にやることです。
3つ目は、翌日の連絡事項を書いておくことです。
4つ目は、機械の状態を整えておくことです。
2つ目が大きく効きます。品出しを前日の閉店後にやっておけば、朝の作業が半分になります。閉店の作業が少し増えても、開店に間に合わないリスクが減るなら、そのほうが良い場合があります。
記録に残すこと
チェック表は、その日で捨てないほうが役に立ちます。
残すのは4つです。
1つ目は、日付と担当です。
2つ目は、終わった時刻です。
3つ目は、飛ばした項目です。
4つ目は、気づいたことです。
2つ目を1か月並べてください。「毎週◯曜日だけ遅れる」という形が見えます。その曜日は人が少ないか、納品が多いといった理由があります。順番や人の配置を変える材料になります。
定期的に見直す
チェック表は、作ったまま何年も同じになりがちです。
見直すのは4つです。
1つ目は、無くなった作業です。もうやっていない項目。
2つ目は、増えた作業です。書かれていないのにやっている項目。
3つ目は、順番です。もっと速い順番がないか。
4つ目は、時刻の目安です。
2つ目を現場に聞いてください。「表に書いていないけれど、毎朝やっていること」があります。書かれていない作業は、新しい人には伝わりません。半年に1回、現場で使っている人に聞いて足してください。
開店の直前に立つ場所を決める
準備が終わったあと、どこに立つかも決めておきます。
決めるのは4つです。
1つ目は、入口が見える場所です。最初のお客さまに気づけます。
2つ目は、通路をふさがない位置です。
3つ目は、手の置き方です。腕を組まない、後ろで組まない。
4つ目は、次にやることです。手が空いたときに何をするか。
4つ目を決めておくと、手持ち無沙汰が消えます。立っているだけの時間は、見ている側にも落ち着かない印象を与えます。棚の前を整える、商品の向きをそろえる。手を動かしながら入口を見られる作業を、あらかじめ決めておいてください。
納品が重なる日の組み方
開店の前に納品が入る日は、準備の組み方が変わります。
やることは4つです。
1つ目は、納品の時刻を先に確かめることです。
2つ目は、受け取る人を決めることです。
3つ目は、置き場所を空けておくことです。
4つ目は、検品を後回しにしてよいか決めることです。
3つ目を前日にやっておいてください。納品が来てから置き場所を探すと、そこで10分が消えます。前日の閉店のときに、翌日の納品の分のスペースを空けておく形にすると、朝が速くなります。
遅れた日の見方
準備が間に合わなかった日は、理由を1行残します。
分けるのは4つです。
1つ目は、人が足りなかった場合です。
2つ目は、想定外のことが起きた場合です。機械の不調、納品の遅れ。
3つ目は、前日の引き継ぎが足りなかった場合です。
4つ目は、順番が合っていなかった場合です。
3つ目と4つ目は直せます。人手や想定外は毎回は防げませんが、引き継ぎの形と作業の順番は変えられます。遅れた日の理由を並べて、直せるものから手を付けてください。
開店してすぐの時間帯を見る
開店の直後は、その日の流れを決める時間帯です。
やることは4つです。
1つ目は、最初のお客さまへの対応をそろえることです。挨拶と、入口での立ち位置。
2つ目は、混む時間帯を知っておくことです。曜日と時刻。
3つ目は、直後にやる作業を決めることです。開店してから手を付ける作業。
4つ目は、足りないものに気づくことです。
4つ目が大事です。開店してから「これが無い」と気づくことがあります。備品、袋、釣銭。気づいた時点で補充するか、記録して翌日の準備に足してください。同じものが繰り返し足りないなら、チェック表に項目を追加します。
まとめ
開店準備は、順番と完成の形を決めると10分前に終わります。
- 終わらないのは、順番・担当・終わりの基準が決まっていないから
- 時間のかかるものを最初に動かす。そのあいだに他の作業をする
- チェック表には、目安の時刻を書く。遅れがその場で分かる
- 人が少ない日のために、飛ばしてよい項目を先に決めておく
- 「きれいに」ではなく、完成した状態の写真を貼る
食品や設備の扱いには別の決まりがあります。取り扱いの基準は、社内の担当と所轄の保健所に確認してください。
よくある質問
Q. 準備がいつも終わりません。 A. 順番、担当、終わりの基準の3つを決めてください。とくに「開店の時点でこの状態」という完成の形が決まっていないと、いつまでも何かをやり続けることになります。
Q. 順番はどう決めますか。 A. 時間のかかるもの、人手の要るもの、1人でできるもの、見回りの順です。電源を入れて温まるまで待つ物は、出勤して最初に動かしてください。
Q. チェック表に何を書きますか。 A. 作業を順番に並べ、担当の欄、印の欄、目安の時刻を入れます。時刻があると、遅れているかどうかがその場で分かります。
Q. 人が少ない日はどうしますか。 A. 飛ばしてよい項目を先に決めておいてください。決めていないと、現場がその場で大事な項目を飛ばします。飛ばしたことは申し送りに書きます。
Q. 新しい人に教えるとき、何を渡しますか。 A. チェック表と、完成した状態の写真です。「きれいに並べる」より写真のほうが正確に伝わり、人によって差が出なくなります。
Q. 前日にやれることはありますか。 A. 翌朝すぐ使う物を出す、品出しを済ませる、連絡事項を書く、機械の状態を整える。品出しを前日にやると、朝の作業が半分になります。
Q. チェック表は毎日捨てていますか。 A. 残すと役に立ちます。終わった時刻を1か月並べると、「毎週◯曜日だけ遅れる」という形が見えます。人の配置を変える材料になります。
Q. 表に書いていない作業をやっています。 A. 半年に1回、現場に聞いて足してください。書かれていない作業は、新しい人には伝わりません。増えた作業と、もうやっていない作業の両方を見直します。
Q. 開店の直前に集まる時間が取れません。 A. 1分で足ります。その日の特売、品切れ、連絡事項の3つだけ。準備が終わっていても、情報が伝わっていないと接客で困ります。
Q. 担当をどう振り分けますか。 A. その日の人数と、慣れている人かどうかで決めます。新しい人には、手順が決まっていて失敗の少ない作業を振ってください。慣れた人が時間のかかる作業を持ちます。
Q. 開店の時刻に間に合わなかったら。 A. 開けられる状態なら開けて、残りを続けます。お客さまを待たせないことが先です。間に合わなかった理由を記録に残して、翌日の順番を見直してください。
Q. 店の広さや業種で、順番は変わりますか。 A. 変わります。この記事の順番は考え方の型で、自分の店の作業に当てはめて作り直してください。時間のかかるものを最初に、という原則は共通です。
Q. 準備が終わったあと、どこに立てばよいですか。 A. 入口が見えて、通路をふさがない場所です。手が空いたときにやる作業も決めておいてください。立っているだけの時間は、見ている側にも落ち着かない印象を与えます。
Q. 開店前に納品が入る日はどうしますか。 A. 納品の時刻を確かめ、受け取る人を決め、置き場所を前日に空けておいてください。納品が来てから置き場所を探すと、そこで10分が消えます。
Q. 準備が間に合わなかった日は、何を記録しますか。 A. 理由を1行です。人手、想定外、引き継ぎ、順番の4つに分けてください。引き継ぎと順番は直せます。遅れた日の理由を並べて、直せるものから手を付けます。
Q. 開店してから足りないものに気づきます。 A. その場で補充し、記録に残してください。同じものが繰り返し足りないなら、チェック表に項目を追加します。気づいた人が書ける欄を作っておくと集まります。
Q. 開店直後に混む日があります。 A. 曜日と時刻を記録してください。混む日は準備を早めに終わらせるか、人を1人増やす判断ができます。記録が無いと、毎回同じ日に慌てることになります。