接客の基本実務2026.05.21 公開KH-01

開店準備の手順|10分前に終わらせる並べ方

目次

開店の時刻になっても、まだ準備が終わっていない。最初のお客さまが入ってきたときに、バタバタしている姿を見せることになります。準備の順番を決めておくと、同じ人数でも10分前に終わります。慣れていない人でも回せる形にできます。

この記事では、開店準備を、終わらない理由順番の決め方チェック表の作り方人数が少ない日の回し方引き継ぎとの関係の順に整理します。食品や設備の扱いには別の決まりがあります。取り扱いの基準は、社内の担当と所轄の保健所に確認してください。

開店と閉店のチェック表そのものを探している場合は、商い屋にそろっています。

結論:順番が決まっていないから、終わらない

開店準備が終わらないのは、やることが多いからではありません。

理由は3つです。

1つ目は、順番が決まっていないことです。その日の判断で動くので、手戻りが出ます。

2つ目は、担当が決まっていないことです。同じ場所を2人がやり、別の場所が空きます。

3つ目は、終わりが見えないことです。何をどこまでやれば終わりかが分かりません。

終わらない3つの理由順番決まっていない担当誰がやるか曖昧終わりの基準どこまでか不明
順番・担当・終わりの基準という3つの理由を並べた層の図

3つ目がいちばん効きます。「開店の時点でこの状態になっていればよい」という完成の形が決まっていれば、そこまでの道筋は自分で組めます。逆に決まっていないと、いつまでも何かをやり続けます。

順番の決め方

準備には、先にやらないと後がつかえる作業があります。

順番は4段です。

1つ目は、時間のかかるものを先に始めることです。機械の立ち上げ、温度が上がるまで待つ物。

2つ目は、人手の要るものを次にやることです。重い物の移動、大きな設営。

3つ目は、1人でできるものをそのあとにすることです。品出し、表示の確認。

4つ目は、最後に見回ることです。全体を見て、抜けを探します。

順番の決め方4段1時間のかかるもの先に始める2人手の要るもの人がそろううちに31人でできるものあとに回す4見回り最後にひと通り
時間のかかるもの・人手の要るもの・1人でできるもの・見回りという4段の順番のフロー

1つ目を最初に動かしてください。電源を入れて温まるまで20分かかる機械があるなら、出勤して最初にスイッチを入れる。そのあいだに他の作業ができます。順番を変えるだけで、終わる時刻が変わります。

チェック表を作る

順番が決まったら、紙にします。

作るのは4つです。

1つ目は、作業を上から順に並べることです。順番どおりに書きます。

2つ目は、担当の欄を作ることです。その日の人数で振り分けます。

3つ目は、印を付ける欄を作ることです。終わったら印。

4つ目は、目安の時刻を書くことです。「◯時までにここまで」。

チェック表の4つの構成中身順番上から順にやる担当名前を書くできたら付ける時刻終わった時刻
順番・担当・印・時刻という4つの構成を並べた表

4つ目を入れると、遅れに気づけます。「8時40分の時点でここまで」と書いてあれば、遅れているかどうかがその場で分かります。遅れているなら、人を回すか、後回しにできるものを飛ばす判断ができます。

開店の完成の形を決める

「準備が終わった」の定義を、目に見える形にします。

決めるのは4つです。

1つ目は、売り場の状態です。商品が並び、通路が空いている。

2つ目は、レジの状態です。釣銭、端末、備品。

3つ目は、身だしなみと立ち位置です。

4つ目は、共有です。その日の連絡事項が全員に伝わっている。

開店の完成の形4つ場所完成の形売り場前出しと値札がそろうレジ釣銭と端末が使える身だしなみ立ち位置に付いている共有今日のことを伝えた
売り場・レジ・身だしなみと立ち位置・共有という4つの完成の形を並べた表
点検表テンプレート
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実際に使える様式が必要な方へ

開店と閉店のチェック表を探しているなら、商い屋のものが近道です。

この様式をひらく

4つ目が抜けやすい部分です。準備そのものは終わっていても、今日の特売や品切れの情報が伝わっていないと、接客で困ります。開店の直前に1分だけ集まる形にすると、この抜けが消えます。

人数が少ない日

人が足りない日は、全部をやろうとしないことです。

決めるのは4つです。

1つ目は、必ずやることです。これをやらないと開店できない項目。

2つ目は、できればやることです。

3つ目は、飛ばしてよいことです。

4つ目は、飛ばしたときに伝える相手です。

3つ目を決めておいてください。決めていないと、現場がその場で判断して、大事な項目を飛ばすことがあります。飛ばしてよい項目を先に決めておけば、迷いません。飛ばしたことを申し送りに書けば、次のシフトが拾えます。

新しい人が回せる形にする

開店準備は、新しい人がいちばん最初に任される作業の1つです。

やることは4つです。

1つ目は、チェック表を渡すことです。

2つ目は、写真を入れることです。「この状態にする」という完成の写真。

3つ目は、最初は一緒にやることです。

4つ目は、分からないときに聞く相手を決めることです。

2つ目がいちばん速く伝わります。「きれいに並べる」ではなく、完成した棚の写真を1枚貼っておく。言葉で説明するより正確に伝わり、人によって差が出なくなります。

前日の閉店とつなげる

開店が速い店は、前日の閉店で仕込んでいます。

つなげるのは4つです。

1つ目は、翌朝すぐ使う物を出しておくことです。

2つ目は、補充できるものは前日にやることです。

3つ目は、翌日の連絡事項を書いておくことです。

4つ目は、機械の状態を整えておくことです。

2つ目が大きく効きます。品出しを前日の閉店後にやっておけば、朝の作業が半分になります。閉店の作業が少し増えても、開店に間に合わないリスクが減るなら、そのほうが良い場合があります。

記録に残すこと

チェック表は、その日で捨てないほうが役に立ちます。

残すのは4つです。

1つ目は、日付と担当です。

2つ目は、終わった時刻です。

3つ目は、飛ばした項目です。

4つ目は、気づいたことです。

2つ目を1か月並べてください。「毎週◯曜日だけ遅れる」という形が見えます。その曜日は人が少ないか、納品が多いといった理由があります。順番や人の配置を変える材料になります。

定期的に見直す

チェック表は、作ったまま何年も同じになりがちです。

見直すのは4つです。

1つ目は、無くなった作業です。もうやっていない項目。

2つ目は、増えた作業です。書かれていないのにやっている項目。

3つ目は、順番です。もっと速い順番がないか。

4つ目は、時刻の目安です。

2つ目を現場に聞いてください。「表に書いていないけれど、毎朝やっていること」があります。書かれていない作業は、新しい人には伝わりません。半年に1回、現場で使っている人に聞いて足してください。

開店の直前に立つ場所を決める

準備が終わったあと、どこに立つかも決めておきます。

決めるのは4つです。

1つ目は、入口が見える場所です。最初のお客さまに気づけます。

2つ目は、通路をふさがない位置です。

3つ目は、手の置き方です。腕を組まない、後ろで組まない。

4つ目は、次にやることです。手が空いたときに何をするか。

立ち位置の4つの決めごと決めること中身入口が見える来店に気づける通路ふさがない手の置き方前で軽く重ねる次の作業声をかけられる作業
入口が見える・通路・手の置き方・次の作業という4つの決めごとを並べた表

4つ目を決めておくと、手持ち無沙汰が消えます。立っているだけの時間は、見ている側にも落ち着かない印象を与えます。棚の前を整える、商品の向きをそろえる。手を動かしながら入口を見られる作業を、あらかじめ決めておいてください。

納品が重なる日の組み方

開店の前に納品が入る日は、準備の組み方が変わります。

やることは4つです。

1つ目は、納品の時刻を先に確かめることです。

2つ目は、受け取る人を決めることです。

3つ目は、置き場所を空けておくことです。

4つ目は、検品を後回しにしてよいか決めることです。

3つ目を前日にやっておいてください。納品が来てから置き場所を探すと、そこで10分が消えます。前日の閉店のときに、翌日の納品の分のスペースを空けておく形にすると、朝が速くなります。

遅れた日の見方

準備が間に合わなかった日は、理由を1行残します。

分けるのは4つです。

1つ目は、人が足りなかった場合です。

2つ目は、想定外のことが起きた場合です。機械の不調、納品の遅れ。

3つ目は、前日の引き継ぎが足りなかった場合です。

4つ目は、順番が合っていなかった場合です。

遅れる4つの理由理由中身人手予定より少ない想定外納品や不具合引き継ぎ前日のやり残し順番軽い作業から始めた
人手・想定外・引き継ぎ・順番という4つの遅れの理由を並べた表

3つ目と4つ目は直せます。人手や想定外は毎回は防げませんが、引き継ぎの形と作業の順番は変えられます。遅れた日の理由を並べて、直せるものから手を付けてください。

開店してすぐの時間帯を見る

開店の直後は、その日の流れを決める時間帯です。

やることは4つです。

1つ目は、最初のお客さまへの対応をそろえることです。挨拶と、入口での立ち位置。

2つ目は、混む時間帯を知っておくことです。曜日と時刻。

3つ目は、直後にやる作業を決めることです。開店してから手を付ける作業。

4つ目は、足りないものに気づくことです。

4つ目が大事です。開店してから「これが無い」と気づくことがあります。備品、袋、釣銭。気づいた時点で補充するか、記録して翌日の準備に足してください。同じものが繰り返し足りないなら、チェック表に項目を追加します。

まとめ

開店準備は、順番と完成の形を決めると10分前に終わります。

  • 終わらないのは、順番・担当・終わりの基準が決まっていないから
  • 時間のかかるものを最初に動かす。そのあいだに他の作業をする
  • チェック表には、目安の時刻を書く。遅れがその場で分かる
  • 人が少ない日のために、飛ばしてよい項目を先に決めておく
  • 「きれいに」ではなく、完成した状態の写真を貼る

食品や設備の扱いには別の決まりがあります。取り扱いの基準は、社内の担当と所轄の保健所に確認してください。

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実際に使える様式が必要な方へ

開店と閉店のチェック表をまとめて整えるなら、商い屋が近道です。

この様式をひらく

よくある質問

Q. 準備がいつも終わりません。 A. 順番、担当、終わりの基準の3つを決めてください。とくに「開店の時点でこの状態」という完成の形が決まっていないと、いつまでも何かをやり続けることになります。

Q. 順番はどう決めますか。 A. 時間のかかるもの、人手の要るもの、1人でできるもの、見回りの順です。電源を入れて温まるまで待つ物は、出勤して最初に動かしてください。

Q. チェック表に何を書きますか。 A. 作業を順番に並べ、担当の欄、印の欄、目安の時刻を入れます。時刻があると、遅れているかどうかがその場で分かります。

Q. 人が少ない日はどうしますか。 A. 飛ばしてよい項目を先に決めておいてください。決めていないと、現場がその場で大事な項目を飛ばします。飛ばしたことは申し送りに書きます。

Q. 新しい人に教えるとき、何を渡しますか。 A. チェック表と、完成した状態の写真です。「きれいに並べる」より写真のほうが正確に伝わり、人によって差が出なくなります。

Q. 前日にやれることはありますか。 A. 翌朝すぐ使う物を出す、品出しを済ませる、連絡事項を書く、機械の状態を整える。品出しを前日にやると、朝の作業が半分になります。

Q. チェック表は毎日捨てていますか。 A. 残すと役に立ちます。終わった時刻を1か月並べると、「毎週◯曜日だけ遅れる」という形が見えます。人の配置を変える材料になります。

Q. 表に書いていない作業をやっています。 A. 半年に1回、現場に聞いて足してください。書かれていない作業は、新しい人には伝わりません。増えた作業と、もうやっていない作業の両方を見直します。

Q. 開店の直前に集まる時間が取れません。 A. 1分で足ります。その日の特売、品切れ、連絡事項の3つだけ。準備が終わっていても、情報が伝わっていないと接客で困ります。

Q. 担当をどう振り分けますか。 A. その日の人数と、慣れている人かどうかで決めます。新しい人には、手順が決まっていて失敗の少ない作業を振ってください。慣れた人が時間のかかる作業を持ちます。

Q. 開店の時刻に間に合わなかったら。 A. 開けられる状態なら開けて、残りを続けます。お客さまを待たせないことが先です。間に合わなかった理由を記録に残して、翌日の順番を見直してください。

Q. 店の広さや業種で、順番は変わりますか。 A. 変わります。この記事の順番は考え方の型で、自分の店の作業に当てはめて作り直してください。時間のかかるものを最初に、という原則は共通です。

Q. 準備が終わったあと、どこに立てばよいですか。 A. 入口が見えて、通路をふさがない場所です。手が空いたときにやる作業も決めておいてください。立っているだけの時間は、見ている側にも落ち着かない印象を与えます。

Q. 開店前に納品が入る日はどうしますか。 A. 納品の時刻を確かめ、受け取る人を決め、置き場所を前日に空けておいてください。納品が来てから置き場所を探すと、そこで10分が消えます。

Q. 準備が間に合わなかった日は、何を記録しますか。 A. 理由を1行です。人手、想定外、引き継ぎ、順番の4つに分けてください。引き継ぎと順番は直せます。遅れた日の理由を並べて、直せるものから手を付けます。

Q. 開店してから足りないものに気づきます。 A. その場で補充し、記録に残してください。同じものが繰り返し足りないなら、チェック表に項目を追加します。気づいた人が書ける欄を作っておくと集まります。

Q. 開店直後に混む日があります。 A. 曜日と時刻を記録してください。混む日は準備を早めに終わらせるか、人を1人増やす判断ができます。記録が無いと、毎回同じ日に慌てることになります。