迷子の対応|店から出さないことが先
目次
迷子の対応は、起きる回数が少ないぶん、手順が決まっていない場面です。その場にいた人が自分の判断で動くことになり、対応に差が出ます。
この記事では、迷子の対応で最初に決めることを整理します。探す話より先に、店から出さないという話です。
結論:迷子の対応は「出口を押さえる」が先
迷子の対応でいちばん先にやるのは、出口を押さえることです。
店内にいるうちは、時間をかければ見つかります。外に出てしまうと、店の手では探せません。道路や駐車場が関わると、けがの危険も出ます。
ポイントはここです。探しに走る前に、出口に人を立てます。人数が足りない場面では、探す人より出口の人を先に配置します。
一般には、店内放送をして探す形が思い浮かびます。ただ、放送だけでは出口は押さえられません。放送と出口の両方が要ります。
最初に聞く5つ
保護者から申し出があったら、5つ聞きます。
| 聞くこと | 使い道 |
|---|---|
| 名前 | 呼びかけと放送に使う |
| 年齢 | 探す高さが変わる |
| 服装 | 見つけるときの目印 |
| 最後に見た場所 | 探す起点になる |
| 保護者の連絡先 | 見つけたときの連絡 |
3つ目の服装がいちばん役に立ちます。上着の色、靴、持ち物。名前で呼びかけても、返事をしない年齢の子がいます。
2つ目の年齢で、探す高さが変わります。小さい子は、棚の下や什器の陰にいます。立って見回すだけでは見つかりません。
出口に人を立てる
聞き取りと同時に、出口に人を立てます。
立てる場所は、店の出入口すべてです。従業員用の出入口、搬入口も含みます。日ごろ使っていない扉から出ることがあります。
人数が足りない場合は、外に出やすい出口から押さえます。自動ドア、駐車場に面した出口が先です。
立った人は、探しに行かないでください。出口から離れた瞬間に、押さえた意味がなくなります。
店内放送をどう使うか
店内放送は、保護者の了解を取ってから流します。
名前を放送することを嫌がる方がいます。「お子さまのお名前をお呼びしてもよろしいでしょうか」と一言確かめます。
放送の文面は、先に決めておきます。その場で考えると、必要なことが抜けます。
一般には、子どもに向けた放送と従業員に向けた合図を分けます。従業員向けは、店内の全員に状況を伝えるための短い合図です。
探す場所の順番
探す順番も、先に決めておくと早く回ります。
一般には、次の順で回ります。最後に見た場所の周り、子どもが興味を持つ場所、什器の陰や下、トイレ、外に近い場所。
2つ目は店によって変わります。おもちゃ、お菓子、水槽、エスカレーター。自店で子どもが立ち止まる場所を3つ挙げておくと、探す時間が短くなります。
3つ目は、しゃがんで見ないと見つかりません。小さい子は、狭いところに入って動かないことがあります。
子どもを見つけたとき
見つけたら、まず保護者に連絡します。
保護者は、その時点で強い不安の中にいます。見つけたことを先に伝えるだけで、状況が落ち着きます。
子どもへの声のかけ方も決めておきます。しゃがんで、目線の高さを合わせて、静かに話しかけます。大人が数人で囲むと、怖がって動かなくなります。
子どもを抱き上げたり、手を引いて連れて行ったりする前に、一声かけます。嫌がる場合は、その場で保護者を待ちます。
子どもだけで来ている場合
保護者からの申し出ではなく、子どもが1人で困っている場面もあります。
このときは、その場から動かさないで人を呼びます。1人の従業員が子どもを連れて歩く形は、周りから見たときに誤解を招きます。
一般には、2人以上で対応する形が取られています。声をかける人と、保護者を探す人を分けます。
保護者が見つからない時間が長くなる場合は、警察に連絡する判断が必要になります。判断の線と連絡先は、社内の決まりに従い、所轄の警察署に確かめてください。
記録に残す
迷子の対応も、記録に残します。
残すのは5つです。日時、状況、対応、見つかった時刻、対応した人。
記録が溜まると、起きやすい時間帯と場所が見えます。同じ場所が並ぶなら、そこに手を打てます。
個人情報が含まれるので、保管の場所と期間を決めておきます。取り扱いについては法令上の決まりがあるとされています。判断に迷う場合は、個人情報保護委員会の窓口に確かめてください。
保護者への対応
保護者は、見つかったあとに感情が出ることがあります。
安心と、怒りと、恥ずかしさが同時に来ます。店に向かうこともあれば、子どもに向かうこともあります。
一般には、その場で長く話さないほうが収まります。見つかったことを伝えて、落ち着く時間を作ります。
店の対応について指摘があった場合は、その場で反論しないでください。記録に残して、責任者に上げます。
起きる前に決めておく4つ
迷子の対応は、起きてから考えると間に合いません。
先に決めておくのは4つです。出口の担当、放送の文面、探す順番、報告する先。
このうち出口の担当は、時間帯ごとに決めます。人数が少ない時間帯には、押さえる出口を絞る形にします。
一般には、年に1回、手順を読み合わせる形が取られています。起きる頻度が低いので、読まないと忘れます。
防犯の備えとつなげる
迷子の対応は、防犯の備えと重なる部分があります。
出口の位置、防犯カメラの範囲、従業員の立ち位置。どれも迷子を探すときにそのまま使えます。
カメラの映像を使う場合は、誰が見てよいかを決めておきます。個人情報を含む映像なので、扱いには決まりがあります。
なお、防犯カメラの設置や映像の取り扱いには法令上の決まりがあるとされています。判断に迷う場合は、社内の担当と、個人情報保護委員会の窓口に確かめてください。
保護者を探す場合
子どもが1人でいるときは、保護者を探す側の対応になります。
聞くのは3つです。名前、誰と来たか、どこではぐれたか。年齢によっては答えられないので、無理に聞き出さないでください。
探すときは、子どもをその場に残して、別の人が探します。移動させると、保護者が戻ってきたときに行き違います。
一般には、インフォメーションや事務所の入口など、決まった場所で待つ形が取られています。待つ場所を先に決めておくと、毎回同じ動きになります。
子どもを預かる時間
子どもを預かる時間が長くなるときは、気をつけることが増えます。
1人にしないでください。常に2人以上の従業員が見える場所に置きます。誤解を防ぐためでもあり、安全のためでもあります。
飲み物やお菓子を渡すかどうかは、慎重に判断します。アレルギーがある場合があります。渡さないと決めておくほうが安全です。
30分を超えても保護者が見つからない場合は、警察への連絡を検討します。線引きは社内の決まりに従い、所轄の警察署に確かめてください。
迷子の札や呼び出しの仕組み
店によっては、迷子の札や呼び出しの仕組みを用意しています。
入口で名札を渡す、番号札を配る、放送で呼び出す。どれも、あらかじめ用意していないとその場では作れません。
一般には、大きな店や子ども連れの多い店で導入されています。小さい店では、出口が少ないぶん押さえやすいので、仕組みより手順で足りることが多くあります。
自店に必要かどうかは、記録を見て決めます。年に何件起きているか、どこで起きているか。件数が少なければ、手順を1枚にするだけで足ります。
混雑する日の備え
迷子は、混雑する日に集中します。
セール、イベント、連休。人が多いほど、保護者が子どもを見失いやすくなります。
一般には、こうした日に出口の担当を先に決めておく形が取られています。起きてから配置を考えると間に合いません。
入口で子ども連れの方に一言添える店もあります。「お子さまとお手をつないでお進みください」と掲示するだけで、起きる数が変わります。
迷子が見つかったあとの引き渡し
見つけた子どもを保護者に引き渡すときも、確かめることがあります。
確かめるのは、その人が保護者かどうかです。子どもの反応を見ます。名前を呼ばれて近づくか、表情が変わるか。
年齢が小さくて確かめられない場合は、子どもの名前と、一緒に来た人の特徴を保護者側に言ってもらいます。
一般には、引き渡したことを記録に残す形が取られています。日時、引き渡した相手、確かめた方法。数は少なくても、書いておくと後から説明できます。
違和感がある場合は、その場で引き渡さずに責任者を呼びます。判断を1人でしないでください。
迷子の対応を1枚にまとめる
迷子の対応は、1枚にまとめて貼っておきます。
書くのは4つです。最初に聞く5つ、出口の担当、探す順番、報告する先。
置く場所は、事務所とレジの2か所です。起きたときに事務所まで取りに行く形にすると、その分だけ遅れます。
一般には、年に1回読み合わせる形が取られています。起きる頻度が低いので、貼ってあるだけでは読まれません。
まとめ
迷子の対応は、出口を押さえることが先です。
- 探しに走る前に、出口に人を立てる。外に出ると店の手では探せない
- 聞くのは名前、年齢、服装、最後に見た場所、連絡先の5つ
- 服装がいちばん役に立つ。名前を呼んでも返事をしない年齢がある
- 什器の陰や下は、しゃがんで見ないと見つからない
- 子どもだけで困っている場面は、その場から動かさずに2人以上で対応する
警察への連絡の判断や、防犯カメラの映像の取り扱いには決まりがあります。判断に迷う場合は、社内の担当と、所轄の警察署や個人情報保護委員会の窓口に確かめてください。
よくある質問
Q. 迷子の申し出があったら何からやりますか。 A. 出口に人を立ててください。探しに走る前です。外に出てしまうと、店の手では探せません。
Q. 何を聞きますか。 A. 名前、年齢、服装、最後に見た場所、保護者の連絡先の5つです。服装がいちばん役に立ちます。
Q. 出口は全部押さえますか。 A. 従業員用の出入口と搬入口も含めてください。日ごろ使っていない扉から出ることがあります。人が足りなければ外に出やすい出口から。
Q. 出口に立った人も探しに行ってよいですか。 A. 離れないでください。出口から離れた瞬間に、押さえた意味がなくなります。
Q. 店内放送をしてよいですか。 A. 保護者の了解を取ってからにしてください。名前を放送することを嫌がる方がいます。文面は先に決めておきます。
Q. どこから探しますか。 A. 最後に見た場所の周り、子どもが興味を持つ場所、什器の陰や下、外に近い場所の順です。自店で立ち止まる場所を3つ挙げておいてください。
Q. 見つからないことがあります。 A. しゃがんで見てください。小さい子は狭いところに入って動かないことがあります。立って見回すだけでは見つかりません。
Q. 見つけたら何からやりますか。 A. 保護者に連絡してください。見つけたことを先に伝えるだけで、状況が落ち着きます。
Q. 子どもへの声のかけ方は。 A. しゃがんで目線を合わせて静かに話しかけてください。大人が数人で囲むと、怖がって動かなくなります。
Q. 子どもだけで困っています。 A. その場から動かさずに人を呼んでください。1人で連れて歩く形は、周りから見たときに誤解を招きます。
Q. 保護者が見つかりません。 A. 警察に連絡する判断が必要になります。判断の線と連絡先は、社内の決まりと所轄の警察署に確かめてください。
Q. 記録に何を書きますか。 A. 日時、状況、対応、見つかった時刻、対応した人の5つです。起きやすい時間帯と場所が見えます。
Q. 保護者から店の対応を指摘されました。 A. その場で反論しないでください。記録に残して責任者に上げます。見つかったあとは感情が出やすい場面です。
Q. 防犯カメラの映像を使ってよいですか。 A. 誰が見てよいかを決めておいてください。個人情報を含む映像なので、取り扱いには決まりがあります。
Q. 起きる前に何を決めておきますか。 A. 出口の担当、放送の文面、探す順番、報告する先の4つです。出口の担当は時間帯ごとに決めてください。
Q. 子どもを1人で待たせてよいですか。 A. 1人にしないでください。常に2人以上の従業員が見える場所に置きます。誤解を防ぐためでもあります。
Q. 飲み物やお菓子を渡してよいですか。 A. 渡さないと決めておくほうが安全です。アレルギーがある場合があります。
Q. どれくらい待って警察に連絡しますか。 A. 30分が1つの目安です。線引きは社内の決まりに従い、所轄の警察署に確かめてください。
Q. 迷子の札は必要ですか。 A. 記録を見て決めてください。件数が少なければ、手順を1枚にするだけで足ります。小さい店は出口が少ないぶん押さえやすくなります。
Q. 混雑する日にどう備えますか。 A. 出口の担当を先に決めておいてください。起きてから配置を考えると間に合いません。入口の掲示も効きます。
Q. 引き渡すときに何を確かめますか。 A. その人が保護者かどうかです。子どもの反応を見てください。確かめられない場合は、名前や一緒に来た人の特徴を言ってもらいます。
Q. 違和感があるときはどうしますか。 A. その場で引き渡さずに責任者を呼んでください。判断を1人でしないでください。
Q. 引き渡しも記録しますか。 A. 日時、引き渡した相手、確かめた方法を残してください。数は少なくても、後から説明できます。
Q. 手順をどこに置きますか。 A. 事務所とレジの2か所です。取りに行く形にすると、その分だけ遅れます。
Q. 貼っておけば伝わりますか。 A. 年に1回は読み合わせてください。起きる頻度が低いので、貼ってあるだけでは読まれません。